知って得する貯蓄のコツ 「生活口座」と「貯蓄口座」とは?
執筆者:四宮朱美(ファイナンシャルプランナー)
2017年7月13日
毎月の給与を振込口座に入れたまま、なんとなく生活していませんか?「毎月◯万円貯蓄して、1年後には100万貯める!」と決めたつもりでも、いつでも出し入れ出来ると、ついつい使ってしまい、後から後悔することもあるかもしれません。そこで、お金をきちんと貯めるにはどうすれば良いのか一緒に考えてみましょう。
貯蓄は毎月どれくらいすればいいの?
よく「貯蓄の目安は手取りの2割」と言われますが、実際に2割を貯蓄に回した場合、どれくらい貯まるのでしょうか?
1ヶ月の手取りが20万円だった場合を例に考えてみましょう。このうちの2割にあたる月4万円を毎月貯蓄すると1年間で48万円も貯まります。
しかし、賃貸のため家賃の負担が大きい、奨学金の返済がある、仕送りをしないといけないなど、個別の事情から手取りの2割を貯蓄することが難しい場合、まずは1割から始めてみましょう。1年間継続すればまとまった金額になりますから、無理のない割合で始めることが大切です。
貯蓄はいくらあれば安心?
ただし、急な事故や病気で働けなくなることや、自己都合で退職して失業保険が出るまでの3ヵ月程かかるなど、収入がなくなってしまうこともあるかもしれません。
そのため、少なくとも手取りの3ヵ月分の貯蓄があれば、無給でも一時的には生活に支障が出ないのではないでしょうか。もしまだ十分な貯蓄ができていない場合は、毎月の収入から少しでも貯蓄に回して、いざという時に備えておきましょう。
生活口座と貯蓄口座を使い分けてみよう
このようにして貯蓄をし続けてまとまった金額になれば、何かあった時にも余裕を持って過ごすことが出来ると思います。そのために、まず何よりも毎月決まった割合を貯蓄するという習慣を身につけましょう。その習慣を身に付けるためにも、「生活口座」と「貯蓄口座」の2種類の口座を使い分けて、生活設計を考えるのがオススメです。
生活口座とは給与振込、家賃や光熱費、カードの決済などを一つの口座にまとめて、毎月の出入金を管理するための口座です。お金の出し入れがしやすいなど、利便性で選ぶことがポイントで、お金を一時的に置いておく場所と考えましょう。取引明細を見れば月々のお金の流れが分かるので、家計管理が簡単になります。
一方、貯蓄口座は生活口座とは別にお金を貯めるための口座です。そのため、貯蓄をするお金は「最初からなかったものとして貯める」と考え、給与天引きして財形貯蓄する、など、強制的にお金を貯める仕組みを活用しましょう。そうすることで使いすぎの防止にもなりますね。なお、ある程度の金額が貯まったら、定期預金へ移すことも選択肢のひとつです。
貯蓄は「金額」ではなく「割合」で
給料は一定額ではなく、勤続年数や勤務実績で上がることもあれば、会社の業績が芳しくなければ、給料が下がることもあるかもしれません。例えば毎月5万円を貯蓄をすると決めたものの、仮に手取りが5万円下がると、その分生活が苦しくなってしまいます。逆に、手取りが増えれば、その分月々の暮らしに余裕が出ますが、貯蓄のペースは変わりません。
つまり「貯蓄は2割」と割合を固定しておけば、自分のペースでコツコツ貯蓄ができますね。貯蓄が苦手だったあなたも、まずは今月から挑戦してみませんか?