2025/01/09
結婚して銀行口座の名義変更をしたい|必要な書類や手続きとは
執筆者:新井智美(ファイナンシャル・プランナー)

「結婚したけど口座の名義は変更する必要がある?」
「銀行口座の名義を変更したいけど方法がわからない・・・・・・」
結婚により姓を変更した場合は、銀行口座やクレジットカード、その他のサービスなどで基本的には名義変更をする必要があります。
もちろん全ての手続きを一度に済ませるのは難しいため、優先順位をつけて行うことになりますが、その中でも銀行口座の名義変更は優先度を高くして進めることをおすすめします。
今回は結婚して銀行口座の名義変更を行うケースについて、手続きの流れや必要な書類について解説します。
■結婚して銀行口座の名義変更を行う手続き
結婚して姓が変わったら、なるべく早く銀行口座の名義変更手続きを行いましょう。名義変更手続きが済んでいない場合、旧姓の口座に結婚後の新しい姓で振込みを行うと、エラーが生じてしまいます。
後述しますが、姓名が一致していないため「給与が振込まれない」「公共料金などの口座引落としの際に残高があるにもかかわらず引落としがされない」などといった問題が生じる恐れがあります。
銀行での手続きは原則として窓口で行うため、平日の営業時間内に時間をとり窓口に行かなければなりません。(銀行によってはオンラインでの名義変更が可能)働いているならその時間の確保も必要です。
手続きはその日のうちに終わり、新しい姓に変更した通帳を受取れます。ただ、キャッシュカードは1週間から10日程度かかるケースが多く、郵送されて届くまでの間は通帳を使って窓口もしくはATMで取引をしなければなりません。
また、手続きは原則として本人が窓口に行く必要があるので、その点も覚えておきましょう。
■名義変更に必要な書類
銀行口座の名義変更に必要な書類は主に以下のものです。ただ、銀行によって異なる可能性もありますので、事前に確認しておきましょう。
《名義変更に必要な書類一覧》
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●その金融機関で開設している全ての通帳とキャッシュカード
ひとつの金融機関で開設できる口座は原則としてひとつですが、中には複数の口座を保有している人もいるでしょう。その場合はその金融機関で開設している通帳とキャッシュカードを全て持参する必要があります。
●現在使用している旧姓の口座届出印
名義変更手続きでは旧姓の口座届出印が必要です。結婚し新しい姓の届出印を作っても古い届出印を捨てないように気をつけてください。
また、口座ごとに届出印を分けている場合は、それら全てを持参しなければなりません。
●新しい姓の印鑑
名義変更では新しい姓の届出印も必要です。もし、口座別に届出印を変えたいなら、その数だけ新しい姓の届出印を作る必要があります。
●本人確認資料
ここで必要なのは新しい姓になったことがわかる公的書類です。
運転免許証の姓を既に変えた場合はそれを提出できますが、まだ変更していないなら戸籍謄本もしくは住民票を持参するのが賢明です。あわせて住所の変更手続きもできます。
通常、婚姻届を提出すると、すぐに新しい姓の住民票や戸籍謄本を発行してもらえます。さまざまな手続きに必要になるためそれぞれ1部は取得しておきましょう。
また、銀行によっては個人番号がわかるもの(マイナンバーカード)の提出を求められることもありますので、持っているなら持参しましょう。
■名義変更手続きの流れ
名義変更の手続きは以下の流れで行われます。窓口がある銀行とネット銀行では手続きの流れが異なりますので、それぞれについて解説します。
●窓口で必要書類を提出し手続きを行う
窓口で手続きをする場合、まず名義変更を行いたい旨を伝え、銀行側が用意している書類に記入します。それと必要な書類を合わせて提出すれば、姓が変わった通帳を受け取れます。
複数の金融機関に口座がある場合はそれぞれの銀行に赴いて同じ手続きを行わなければなりません。
手続きは口座を開設した本支店に限らず、基本的にどの支店でも行えますので、最寄りの支店を探して手続きを行うとよいでしょう。
銀行の窓口は15時までです。複数の金融機関を回る場合、移動だけであっという間に時間が過ぎてしまいます。できるだけその日のうちに回れるように計画を立てて行動しましょう。
●ネット銀行の場合
ネット銀行の場合、基本的には窓口がないのでインターネット上での手続きになります。
口座を開設しているネット銀行の公式サイトから名義変更の手続きを申込み、必要な書類を取寄せ、書類に記入後、本人確認資料をそろえて返送する形が一般的です。ネット銀行によって手続きの方法が異なるので、事前に確認しておきましょう。
ネット銀行のメリットはインターネット上でいつでも手続きができる点です。夜中の時間帯や土日の時間を使って手続きを行ってもいいでしょう。
なお、名義変更の手続きをしてもその日から新しい姓に変わるわけではありません。銀行にもよりますが1週間から2週間程度で銀行内の手続きが完了するのが一般的です。
■旧姓のままにした場合の問題点
名義変更の手続きが手間であるため、旧姓のままでいいと考える人もいるでしょう。
しかし、婚姻届を提出し姓が変わった以上、名義変更手続きは行っておくほうが賢明です。旧姓のままにしていると、以下のような問題が発生する可能性があります。
●給与が振込まれない
公的な姓と給与振込口座の姓が異なっている場合、給与が振込まれない可能性があります。婚姻届を提出したら会社にもその旨を伝えるとともに、給与振込口座の名義変更を早めに済ませておきましょう。
●クレジットカードや公共料金の引落としができない
クレジットカードや公共料金の引落としに指定している口座の名義が旧姓の場合、口座にお金があったとしても引落とされない可能性があります。
引落とされなかった場合、滞納扱いになってしまいクレジットカードが使えない状況にもなりかねません。クレジットカードをよく利用する人は、引落とし口座の名義変更手続きも忘れずに行っておきましょう。
■銀行口座以外に名義変更手続きが必要なもの
結婚して名義変更が必要なのは銀行口座だけではありません。
《結婚して姓を変更した場合に必要な手続き》
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銀行口座の名義変更手続きが終わったら、順次上記の名義変更の手続きも行いましょう。それぞれ契約している公共機関や会社のWebサイトを確認したり、お問い合わせしたりすれば、名義変更手続きの方法がわかります。
■まとめ
結婚して姓が変わると、さまざまな手続きが必要です。ただ、銀行口座の名義変更手続きは日常生活に与える影響が大きいことからも優先して行いましょう。
結婚してもお互いがお互いの名義で口座を持つことは可能です。ただ、これを機に2人の共通口座を開設してみてはいかがでしょうか。共通口座といってもどちらかの名義で開設しますが、生活費用の通帳や貯金用の通帳など目的を分けて保有すれば、家計管理や資産形成に役立ちます。
結婚してからは、子供の誕生やマイホームの購入を検討したりと、さまざまなイベントが発生します。その時にはまとまったお金が必要になるケースもあります。急に資金が必要になって慌てることのないよう、共通口座に生活予備資金を置いておくなどの工夫をしてみることをおすすめします。
計画的にお金を貯めるために口座を使い分けながら管理する方法を2人で話し合いルールを設けておくと、今後のライフイベント費用についての不安も少なくなります。