[米国雇用統計] これまでの予想と解説

11月6日米国雇用統計はどうだった?

結果

発表直後からの10分間は、↑円安ドル高に変動!
  • じぶん銀行FX米ドル/円10分足のチャートより抜粋
発表直前 10分後 変動幅
米ドル/円
為替レート
121.948円 122.741円 0.793円
  • じぶん銀行FXレート

Q. なぜ↑円安ドル高に動いたのか

「非農業部門雇用者数」が事前予想を大きく上回る内容で、8・9月分も1.2万人の上方修正となったことを受けて、円安ドル高方向へと大きく変動しました。米ドル/円相場は2015年8月21日以来となる123円台へと上昇しました。

失業率 非農業部門
雇用者数
予想 5.1% 18.0万人
結果 5.0% 27.1万人
乖離 -0.1% +9.1万人
  • 結果は速報値です。

Q. 今後の米ドル/円はどう動く?

次回の米国雇用統計(12月4日22:30発表予定)

「非農業部門雇用者数」の7~9月平均は+187千人と1~6月平均を下回っており、雇用の伸びは鈍化してきています。来月は、今回発表の反動が出る可能性もあります。

米ドル/円の動向

次回12月15~16日に開催される米FOMC (連邦公開市場委員会)までに発表される米経済指標や、ドル高を受けた新興国市場の動向次第ではありますが、10月米FOMCでの利上げ言及を受けて、前回利上げの期待が高まった6月と比べてもその環境は整っており、今後各市場がさらに利上げを織込む可能性があるでしょう。

米ドル/円相場は10月下旬からすでに3円程度上昇していますが、短期的には反落・底固め後にもう一段上昇し、年初来高値である125円台に迫る局面が否定できない状況となってきました。

この先1ヶ月程度の見通しとしては、米利上げ観測を背景として、ドル堅調地合いが継続すると思われますが、現在の環境からは連続した利上げではなく、単発的な利上げにとどまる可能性が高く、125円を大きく超えて上昇することはないものと思われます。むしろ12月のFOMCで利上げを実施する前にドルが天井を打つ可能性もあるでしょう。そうなれば来年は緩やかに円高が進行するものと考えます。

  • 当内容は、2015年11月9日時点の見解です。
さらに詳しい解説はこちら

米国10月雇用統計発表(11月6日22:30)前後の為替動向について

1. 発表前

市場予想を大きく下回る9月雇用統計の結果を受け、米利上げ観測は一旦大きく後退していた。しかし10月27~28日に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)後の声明文で『12月の会合で利上げを実施するかを判断する』と言及したことから、年内の利上げ観測が再浮上。FOMC後の最初に発表される、10月雇用統計の内容が注目されることとなった。

米ドル/円相場は、米利上げ期待の剥落から下値トライの流れとなり、10月中旬に一時118円台前半まで下落した。しかし22日のECB(欧州中央銀行)理事会後、ドラギ総裁の追加緩和策示唆によりユーロが売られたことから、ドル買戻し地合いに転換。28日のFOMC以降はドル買いが加速して、121円台後半で指標の発表を迎えた。
一方、米国長期金利(10年債利回り)は、2.0%割れまで下落後、年内の利上げを再び織込む形で2.2%台半ばまで上昇していた。

事前予想は、「失業率」が5.1%(9月5.1%)、「非農業部門雇用者数」が+180千人(9月142千人)、「平均時給」が+0.2%(9月0.0%)であった。

2. 発表直後

10月「失業率」は前月より0.1%低下し5.0%とおおむね予想通りの結果であったが、「非農業部門雇用者数」は前月比+271千人となり、8・9月分も12千人の上方修正。「平均時給」は前月比+0.4%と予想を大幅に上回る強い内容であった。

予想を上回る強い結果を受け、米ドル/円は8月21日以来となる123円台へ上昇。すぐに122円台後半へ戻されたが、同水準でしばらく揉み合った後、再び123円台へと上昇した。米長期金利が急上昇する中、米ドルが全面高となったことから、米ドル/円は上昇するも、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス/円は円高に推移した。

3. ニューヨーククローズまで

米長期金利は各年限ともに上昇し、10年債利回りは2.3%台へ上昇。米ドル/円は日付が変わっても123円近辺での売り物と揉み合う展開が続いたが、ロンドン市場Close後に一段高となり、ニューヨーク市場は123円20銭台でCloseとなった。ニューヨークダウは米金利上昇を嫌気して前日比マイナス圏での取引が続いたが引けにかけて買われ、前日比+46ドルでCloseとなった。

4. 「米ドル/円が上昇したのはなぜ」
  • 10月28日のFOMC後の声明文で「12月の会合で利上げを実施するかを判断する」と言及されたことはサプライズであったが、10月雇用統計は、12月利上げの確度を高める内容であったことから、米ドル/円が上昇したこと自体に違和感はない。
  • ただし8月の急落の際にドル下げが加速した、122円台後半をあっさりと(2時間程度は揉み合ったが)上抜けて上昇したのは、ドル上げへの市場の準備(ドル買いポジション)ができていなかったことの表れであろう。
  • 為替市場では米金利上昇による米ドル全面高となっており、円が主導する展開(円安)となっていないことから、上昇したのは米ドル/円だけであり、クロス/円はおおむね横ばいまたは若干の円高となっている。
5. 当面の見通し
  • 11月雇用統計

    「非農業部門雇用者数」の7~9月平均は+187千人と1~6月平均を下回っており、基調としての雇用の伸びは鈍化してきている。「平均時給」とともに来月は今月の反動が出る可能性もある。

  • 米ドル/円動向

    12月利上げの可能性が高まる要因となった、10月28日のFOMC声明文を改めて見てみよう。声明文では、(1)景気見通しに関して、個人消費と設備投資の判断を上昇修正。(2)雇用に関しては、雇用増加の鈍化に言及しやや下方修正。(3)世界経済と金融市場に対する懸念については、記載した部分を削除。(4)12月会合で利上げを実施するかを判断することを追加。以上が前回との主な変更点であった。前回から下方修正された雇用について今回の雇用統計の結果で一歩前進したことが、利上げの確度が高まったと判断された理由の一つであろう。

    12月15~16日に開催される次回FOMCまでに発表される米経済指標や、ドル高を受けた新興国市場の動向次第ではあるが、前回利上げ期待が高まった6月と比べても利上げの環境は整っており、今後各市場がさらに利上げを織込む可能性もあるだろう。

    米ドル/円相場は10月下旬からすでに3円程度上昇しているが、短期的には反落・底固め後にもう一段上昇し、年初来高値である125円台に迫る局面が否定できない状況となってきた。8月のドル急落局面が、ポジションの傾きの整理となったことがその理由である。ポジションが一方向に大きく傾いた状況でないだけに、上昇局面で意外に値幅が出ることも想定しておく必要があろう。

    一方、円高要因としては、(1)貿易赤字の縮小により、需給面では今後は円高・ドル安地合いとなっていくこと、(2)米国サイドからドル高を懸念する発言が相次いでいること、(3)10月末に発表された『日銀展望レポート』から推察されるように、日銀追加緩和の可能性が後退、またはその時期が後ろずれしていること、が挙げられる。これらの材料は中期的な円高要因として、今春までの円全面安の局面とは異なることを示しており、短期的な相場上昇の勢いが止まれば、じわりと効いてくると思われる。

    向こう1ヶ月程度は、米利上げ観測を背景として、ドル堅調地合いが継続すると思われるが、現在の環境からは連続した利上げでなく、単発的な利上げに留まる可能性が高く、125円を大きく超えて上昇することはないものと考える。むしろ12月FOMCで利上げ実施前にドルが天井を打つ可能性もあろう。そうなれば来年は緩やかに円高が進行するものと考えている。

    予想レンジ:121円半ば~125円半ば

  • 当内容は2015年11月9日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

予想

11月6日米国雇用統計発表後の米ドル/円為替相場はどうなると思いますか?

円高ドル安:47%/円安ドル高:46%/そのまま:7%。予想がわかれる結果となりました!
  • 募集期間 2015年10月19日(月)~10月22日(木)

予想いただいたみなさまのご意見

「↑円安ドル高」と予想した方のご意見

雇用は改善しつつある。そのことが今回の指標にも表れる。したがって、米国景気は徐々に改善しつつあると考えることができ、利上げの期待感が高まる。別の要因として新興国の成長鈍化や中国の資金流出増大等を踏まえると、米国に資金は集中し円安になると考える。

おかめ
20代 男性

長年のゼロ金利からの脱却はアメリカ経済の下支えの裏付けがあると期待。中国やヨーロッパの経済不安はあるものの、強いドルへの期待で一時的にもドル高に振れるのでは。

Rmpapa
50代 男性

EUギリシャの問題が落ち着き、中国の経済減速も想定内のリスクに留まり、年末に向けてアメリカ経済は緩やかに上向き、消費の上昇とともに雇用は改善する。

すいえん
60代 男性

ここのところの円安と、10/19時点での中国GDPの辛うじてのプラス、クリスマス相場など、状況を見れば今後も円安傾向は続いて行くと思われます。

レオ
40代 男性

「↓円高ドル安」と予想した方のご意見

今回は利上げには動かない(見送り)と推測。ただし、今後の(12月を含め)利上げの可能性への言及が出て、言及の内容次第で円安に振れると思われるが、最初の10分(もっと短いかも?)は単純に「利上げ見送り」発表への反動で118円台をうかがう(或いは突入の)動きで、「今後の利上げへの言及」の仕方次第では120円台をうかがう、あるいは勢いで120円台前半に突入するが、結局引けは119円台半ばへ戻る展開を予想。

為替仙人
60代 男性

前月の雇用統計が悪かったこと、過去分も下方修正されたことから改善されることがかなりの確率で予想される。予想というより必然のため。そのことに加えて、FRB理事から12月利上げコメントが繰返されているため、少し良いと利上げととられやすい。これは両方満たされる必要がある。普通はアメリカ利上げ円安だが、利上げ見送り、原油高、株横ばい、円安だったため、結果が良ければその逆となる可能性が高いため。

なおなお
30代 男性

アメリカ経済は内需を中心に好調と聞いています。そのため、雇用統計も予想を大きく下回ることはないと思います。一方、国内では、安倍政権は安保法制で落ち込んだ支持率も今週は回復し、さらに安定してきたように感じます。また、TPPもさほど心配していたほどの内容ではなく、日本経済は順調に伸びる傾向にあり、投資家は安定した円を買い求めると考えられる。

もじょ
50代 男性

10月末近くにまで同じ状況が続くと、日銀が新たに金融緩和策を出す可能性もあるでしょうが、デフレ感が高いために「焼け石に水」。出しても効果は続かず、円高に戻る可能性が高いほど。TPP問題でオバマvsクリントンという対立構図ができているため、米雇用の不安感は隠せないでしょうね。

M.N
40代 男性

「→そのまま」と予想した方のご意見

現実の為替は円安傾向がありますが、海外のリスク回避の安全資産としての円買いも根強く、また、アメリカの経済も、底堅い印象があるので、さほど大きな数値の変動がないと考える上記の結果、円相場は動き難い。

Tomcrozo
50代 男性

特にサプライズもなく、利上げをしないかぎり相場は平行線であると思います。一旦は、雇用統計の数値で荒れる可能性はあるが、すぐ20~40銭前後で落ち着くと予想しています。

なお
40代 男性

その他のご意見はこちら
「↑円安ドル高」と予想した方のご意見
  • アメリカの雇用状況が改善され、長期金利が上がると見込まれるため、さらに日本の財政赤字が注目され、円売りドル買いの動きになる。

    テリー
    50代 男性

  • 今年はアメリカ年末消費が堅調になる予想がされているので、年末に向け、雇用情勢改善と景気の上ブレが見込まれるため。

    のじお
    40代 男性

  • 11月前にもう一度123円台以上になりそうな気がするので、なるとしたらこのタイミングしかないと思います。

    かのこ3
    40代 女性

  • アメリカの景気が上向いていることによって金利が上がり、多方面から米ドルを買う動きが出ると予想される。

    あやぱん
    30代 女性

  • 初めてなので、勘だけで予想しました。これから勉強してしっかり予想できるようになりたいと思います。

    ニャゴ
    50代 男性

  • 特に根拠になるようなことはないが、強いていえば、TPPの合意によるアメリカの貿易拡大への期待。

    うえさま
    40代 男性

  • 雇用統計の結果がプラスになり、年内の利上げの可能性大になると予想しています。

    損切り貧乏
    50代 男性

  • 米景気が良くなり、年末クリスマス商戦で、景気上向きとなる予測から。

    Hiromi10_10
    30代 男性

「↓円高ドル安」と予想した方のご意見
  • 雇用統計発表後に予想されるアメリカの未来より、まだ日本の未来の方が明るい、と相対的に「日本の方が未来はやや明るい」と判断され、結果、円高に進むのではないか?と思います。

    暁海
    40代 女性

  • 最近の中国経済指標が悪化しており、少なからず米国の輸出(特に自動車関係)に悪影響を与えている。その結果として自動車関係業界での雇用指標が落ち込んだこと。

    東京の小熊
    60代 男性

  • アメリカの雇用統計が大幅には改善せず、予想されたFRB の利上げもないため、日本の景気にさしたる好材料はなくともドル安になるのではと考えるから。

    くずもち
    30代 男性

  • 米国の雇用統計の結果が予想を下回り、また中国問題も収束していない状況も踏まえると為替が一時的に大きく円高方向に振れる可能性が高いと思われます。

    かんちゃん
    50代 男性

  • 一時期的にドル高も考えられるがそれ以上に円高になる。アメリカの利上げが不透明なため。

    かるたん
    50代 男性

  • アメリカ雇用統計の結果が芳しくなく、リスク回避に向けて円が買われると予想したから。

    あるあるた
    20代 女性

  • 世界情勢の流れは先月とあまり変わっていない気がするので、先月と同じような流れなら。

    ウレシ泣キ
    40代 男性

  • 日本にとっての好材料がとぼしい~。

    ひでりん
    40代 男性

「→そのまま」と予想した方のご意見
  • 米国雇用統計の結果は大きな改善がなく、日本の景気動向もしっかりとした向上は見られないと思う。中国も同様な状態で、為替の動きも大きな変動がないと思う。

    千葉の河馬
    60代 男性

  • 利上げが先送りされたので、12月か来年早々に利上げがあるまでは一進一退。ほとんど動かないように思います。

    ピカイチ・ヨッシー
    50代 男性

  • アメリカ大統領選の前でたいした動きはないと思う。

    二者択一
    50代 男性

  • まだ先行きが不透明で動きがない。

    アンリ
    30代 男性

  • 前回を踏まえて様子見か?

    ケンケン
    40代 男性

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