[米国雇用統計] これまでの予想と解説

12月4日米国雇用統計はどうだった?

結果

発表直後からの10分間は、↑円安ドル高に変動!
  • じぶん銀行FX米ドル/円10分足のチャートより抜粋
発表直前 10分後 変動幅
米ドル/円
為替レート
122.844円 123.216円 +0.372円
  • じぶん銀行FXレート

Q. 発表後はなぜ↑円安ドル高へ動いたのか

市場予想をやや上回る「非農業部門雇用者数」の結果を受けて、米ドル/円は123円30銭台へ上昇しました。ところが米長期金利下落の影響を受けて反落し、その後は123円を挟んでの揉み合いとなりました。

失業率 非農業部門
雇用者数
予想 5.0% +20.0万人
結果 5.0% +21.1万人
乖離 0% 1.1万人
  • 結果は速報値です。

Q. 今後の米ドル/円はどう動く?

次回の米国雇用統計(1月8日22:30発表予定)

「失業率」はこの3ヶ月連続して5.0%を維持しています。「労働参加率」も前月から上昇に転じており明るい材料となっています。

米ドル/円の動向

12月15~16日に開催される米FOMC(連邦公開市場委員会)で利上げが実施されるのはほぼ間違いないでしょうが、現在の米ドル/円相場では、2016年の連続利上げを織込むには至っていません。2016年の予想金利はFOMC参加メンバーの間でも意見が大きく分かれており、まさに今後の経済指標次第といえます。従ってFOMCで利上げの発表がなされても、直ちに125円を大きく超えるようなドル高が進むことはないと思われます。

また、米国サイドからドル高を懸念する発言も相次ぐなどいくつかの円高要因もあり、今後発表される米国経済指標で米追加利上げが現実化してくるドル高要因とのせめぎ合いで、どちらが優勢となるかもこれからの焦点となるでしょう。

筆者は、現時点では米国の利上げは単発的な利上げに留まる可能性が高いと考えており、来年は緩やかに円高が進行するとの見方は変えていません。

  • 当内容は、2015年12月8日時点の見解です。
さらに詳しい解説はこちら

米国11月雇用統計発表(12月4日22:30)前後の為替動向について

1. 発表前

12月15~16日(米国時間)に開催される米FOMC(連邦公開市場委員会)で、約9年振りとなる利上げがなされるかの最終判断材料が今回の米国11月雇用統計であるが、市場参加者の間では12月の利上げはほぼ確実視されており、焦点は来年以降の追加利上げはあるのか、またそのペースはどうなるのか、というものであった。

米ドル/円相場は、前月の雇用統計発表当日につけた123円半ばを高値に反落し、11月14日に起きたパリ同時多発テロの翌営業日には122円前半まで値を下げた。同水準で下げ止まると再び123円半ばまで上昇したが直近高値を抜けた所で息切れし、その後は123円を挟んでの取引に終始し、122円台後半で指標の発表を迎えた。
一方、米国長期金利(10年債利回り)は、利上げの可能性が高まるのに反して、前月雇用統計当日につけた2.3%台半ばからじり安となり、一時2.1%台半ばまで下落。しかし前日のECB(欧州中央銀行)追加利下げが市場期待に届かなかったことを材料として、2.3%台へ戻して指標の発表を迎えた。

事前予想は、「失業率」が5.0%(10月5.0%)、「非農業部門雇用者数」が+200千人(10月+271千人)、「平均時給」が+0.2%(10月+0.4%)であった。

2. 発表直後

11月「失業率」は前月と同じく5.0%と予想通り。「非農業部門雇用者数」は市場予想をやや上回る前月比+211千人となり、9・10月分も35千人の上方修正。「平均時給」は前月比+0.2%と12月利上げを裏付けする内容であった。

市場予想をやや上回る「非農業部門雇用者数」の結果を受け、米ドル/円は123円30銭台へ上昇したが、米長期金利が上昇後すぐに下落に転じたことを受け反落。発表直前の水準も下回り一時122円70銭台をつけたが同水準で下げ止まると、その後は123円を挟んでの揉み合いとなった。米長期金利が伸び悩んだことで米ドルは主要通貨に対して弱含みとなったが米ドル/円が横ばいとなったことからユーロ/円や豪ドル/円などのクロス/円は円安に推移した。

3. ニューヨーククローズまで

雇用統計発表直後に「OPEC総会で減産が見送り」との報道がなされ原油価格が急落。これを受け米長期金利は各年限ともに下落し、10年債利回りは2.2%台半ばへと下落。米ドル/円は日付が変わった頃から強含みに推移し123円20銭台をつけ、ニューヨーク市場は123円10銭台でCloseとなった。ニューヨークダウは寄付き直後こそ下落したものの、その後は米国経済に対する楽観的な見方が広がり終日堅調推移となり、前日比370ドル近い上昇でCloseとなった。

4. 「米ドル/円が小幅上昇に留まったのはなぜ」
  • 10月28日のFOMC以降から約1ヶ月半をかけて市場は利上げを織込んできたが、今回の内容が12月の利上げを後押しするものであったことから、米ドル/円が上昇したことは想定の範囲内の動きであろう。
  • しかしながら、前日に実施されたECBによる追加利下げが期待に届かなかったとして、ドルが主要通貨に対して大幅に下落する直前(12月3日夕刻)の高値123円半ばを抜けることなくCloseしたことは、むしろ米ドル/円の上値の重さを印象づけるものであった。
  • 要因としては、利上げが確実視されながらも米長期金利が発表直後から下落したことや、OPEC総会で減産が見送りとなり、原油価格が一段安となる可能性が出てきたことが、「米長期金利上昇⇒米ドル/円上昇」というサポートが危ぶまれる状況となったことなどが挙げられよう。
5. 当面の見通し
  • 12月雇用統計

    「失業率」は3ヶ月連続して5.0%。「労働参加率」も前月から上昇に転じており明るい材料。「平均時給」が先月の反動で今月は伸びが小幅に留まったが、今後伸びが加速するかが注目される。

  • 米ドル/円動向

    12月15~16日に開催されるFOMCで0.25%の利上げが実施されるのはほぼ間違いないが、現在の米ドル/円相場は2016年の連続利上げを織込むには至っていない。2016年の予想金利はFOMC参加メンバーの間でも意見が大きく分かれており、まさに今後の経済指標次第といえよう。従ってFOMCで利上げ発表がなされても、直ちに125円を大きく超えるようなドル高が進むことはないと考えている。

    円高要因としては従来から指摘している通り、(1)貿易赤字の縮小により、需給面では今後は円高・ドル安地合いとなっていくこと、(2)米国サイドからドル高を懸念する発言が相次いでいること、(3)10月末に発表された『日銀展望レポート』から推察されるように、日銀追加緩和の可能性が後退、またはその時期が後ろずれしていること、が挙げられる。これらの中期的な円高要因と、今後発表される米国経済指標により米追加利上げが現実化してくるドル高要因とのせめぎ合いとなり、どちらが優勢となるかが今後の焦点となろう。筆者は現時点では米国の利上げは単発的な利上げに留まる可能性が高いと考えており、来年は緩やかに円高が進行するとの見方は変えていない。

    ECB追加利下げ後の市場の反応を見ると、米ドル/円相場は向こう1ヶ月程度、FOMCに向けて買い進められたポジション調整によりやや軟調推移となるものと思われる。一方でテロや株式市場の大幅下落による避難通貨としての円買いの動きは、これまでの値動きの中での学習効果もあり限定的なものとなろう。

    予想レンジ:120円半ば~124円

  • 当内容は2015年12月8日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

予想

12月4日米国雇用統計発表後の米ドル/円為替相場はどうなると思いますか?

円安ドル高:56%/円高ドル安:38%/そのまま:6%。円安予想が多い結果となりました!
  • 募集期間 2015年11月18日(水)~11月23日(月)

予想いただいたみなさまのご意見

「↑円安ドル高」と予想した方のご意見

ロシア、中国などとの関係性、EUの動き、テロ多発などの現状を考え、アメリカの活性化、オバマのアイデンティティを踏まえて雇用統計を見つめた場合、円安ドル高へ誘導することが、今、アメリカにとっては重要、かつ不可欠だと考える。でなければ、強いアメリカを維持できなくなると思うので、発表後はそうなると思います。

Shinmitsu113
50代 男性

アメリカの利上げの指標で、良ければ金利の利上げが間違いないと思うので、円安ドル高になるのは間違いない。最近のフランスでの爆弾テロもヨーロッパの危機、危険のときの有事のドル買いという事もあるので円安ドル高は間違いないと思う。

有事のドル買いで円安ドル高は間違いない。
50代 男性

「↓円高ドル安」と予想した方のご意見

引続き中国経済の悪化が米経済のブレーキになっている中、欧州のテロ・難民問題が世界経済の足を引っ張っている。米は年内の利上げにどうにも持って行きたいんだろうが、この不安定要素の山の中で動けないのでは。そうなれば、ドルの失望売りと有事のナントカで円高に振れるかな。

ワタナベ夫人
50代 女性

フランスでのテロや中国経済の失速の連鎖等があり、アメリカのテロに立ち向かう姿勢上厳しい判断が求められる頃だし、日本の株価も再び上向いている気がするので…円高になるかなと思いました。ど素人の考えですみません。

やす
40代 男性

「→そのまま」と予想した方のご意見

円安に動き125円前後になるも、その後円高にもシフトしている。特に大きな変動は考えずらく、このまま軟調な動きに進み動かないと見ます。

ホワイトキャッスル
40代 男性

今現在は、郵政株による傾向と思います。すぐに落ちつくと思います。

Ron/Pei
40代 男性

その他のご意見はこちら
「↑円安ドル高」と予想した方のご意見
  • 雇用統計が少なくとも堅調に推移すると予想します。その場合、米国の早期利上げが予想されるので、その期待からドル買いが進むと思われるので、円安になると思いました。

    タレネコ
    40代 男性

  • 日銀の追加緩和なしで、織込み済の米金利のみの切上げなので大幅な上昇は期待できないが、多少は上昇すると思われる。瞬間的にも124円台はあると予想する。

    ミキ
    30代 女性

  • 前回の結果と今回の結果を踏まえて利上げに持っていきたいはず。前回ほど良くなくても大きな流れとしては年末年始利上げに向かいドル高になる。

    toshixvuk
    30代 男性

  • 中国経済、ISなどの不安要素対応への手詰まり打開はやはりアメリカが鍵を握っており、ドルのプライオリティは当面揺るがないと思われるから。

    イェニチェリ
    50代 男性

  • さらに強い米国経済指標を確認しFRBの年内利上げが確定的となり、一方国内は景気腰折れが濃厚となるため円が安値を更新する可能性が高い。

    ヨレヨレ
    40代 男性

  • 全般的に利上げはおおむね織込み済だが、米国経済は緩やかな拡大基調であり、有事の際のドルの強さも考慮して円安基調は変化ないと思うので。

    Oak
    男性

  • クリスマス商戦での宅配ビジネスの一時的な雇用増加による雇用率の高さが考えられる。ただし、2月の雇用統計では下がる可能性がある。

    月詠
    30代 男性

  • 前回の雇用統計が上がったので、今回も引続き上がり、利上げを推し進める材料となると思う。

    ハーフムーン
    40代 男性

  • 雇用実績が増加20万人以上で12月の金利引上げが決定的となり、円安ドル高が進行する。

    ネゴ4
    60代 男性

  • 11月に引続き強い数字になって、年内の金利引上げを確信させる内容になるだろうから。

    こんじょ
    50代 男性

  • 堅調な雇用統計の結果を受けて、米国の利上げ観測がより高まるため、ドル高に動くと予想

    YEAH!れん
    20代 男性

  • そろそろ利上げ判断が見える結果が出るのでは?逆に円を買う理由は特に見当たらない。

    ひろっしー
    40代 男性

  • FOMCでの利上げ観測があり、それに伴ってドル高に動く。

    優ちゃん
    50代 男性

  • クリスマス、正月商戦の影響。

    ちびたけ
    40代 男性

「↓円高ドル安」と予想した方のご意見
  • イスラム国問題から政情不安が経済にも大きく影響してくる。欧米の主要国は経済面の停滞が顕在化してくる。中国経済状況の不安定感は払拭できず、総合的に安定感のある「円」が買われる状況となろう。

    SYAN
    60代 男性

  • 先のテロの影響が残り、投機に不安感が出る。一時避難通貨としてなら、日本円はリスクが少なく、その結果円買いが進み、ドル安円高となる。

    トニー
    50代 男性

  • 雇用統計の結果が良くないものになると想定しており、アメリカ経済の先行き不安からドルが売られると考えている。

    ぽよ。
    30代 男性

  • 年内米利上げはほぼ織込み済であり、一時的に米ドル売りの相場展開になる可能性が高い。

    アルジャーノン
    30代 男性

  • フランス同時テロからの経済的ダメージからの回帰。米国の動向に市場が反応した値動き。

    こえみ
    30代 女性

  • アメリカは雇用統計が発表されたとしても現状ではあまりで影響はなくて、利上げ観測で様子見になると思いますよ。年末商戦を控えてドルが少し強くなるかなと。

    だよーんのおじさん
    50代 男性

  • 雇用統計が良いとの期待感先行であるが、前回が良すぎたため一旦は下がると思う。

    まさっち
    40代 男性

  • アメリカの利上げはすでに織込み済のため、変動は少ないと予想します。

    リヴェール
    50代 男性

  • 雇用統計の改善が見られず、政情も不安定感が否めないため。

    ぽんきち
    40代 男性

  • 円安が長く続き、そろそろ反発されるころだと思います。

    シゲオ
    50代 男性

  • 先月の雇用統計の数値が予想以上だったので、今回は予想を下回る。

    小太郎
    40代 男性

  • アメリカが元気にならないとこまる!

    ぼんぼん
    40代 男性

  • テクニカル的に見て予想しました。

    オレオ
    40代 女性

「→そのまま」と予想した方のご意見
  • これ以上は円安にはならない。アメリカは景気懸念が残り、これ以上はドル高にならないとしている。

    J-chan
    60代 男性

  • 景気は不透明だが、クリスマスを控え消費は拡大傾向。結果、変わらず。

    ぷるめい
    50代 女性

  • 上昇する要素もあると思うが、世界情勢を考慮するとあまり変化しないと思う。

    てんてん
    40代 女性

  • ここまで円安だと動きにくいと思います。

    ジャガイモ
    40代 男性

  • オバマ大統領の演説による。

    かっちゃん
    50代 男性

  • あまり変化なさそう。

    alicia
    40代 女性

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