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世界No.1の基軸通貨 米ドル



通貨の説明

世界の中心通貨

アメリカ合衆国(以後、アメリカで統一)の通貨、米ドル。
世界の通貨取引で約42%*1と、他と比べて圧倒的な取引量を占め、世界規模で影響力の強い通貨です。また、アメリカの経済力の高さや通貨価値が安定していることなどから『基軸通貨』と呼ばれ、世界の基準・標準となっており、もっとも多くの地域で使用されています。ニュースなどから得られる情報が豊富で、為替取引においての判断材料も多くあります。

有事のドル買い

米ドルは、「有事のドル買い(戦争・紛争など有事の際には米ドルを買っておけば安心)」という言葉もあるほど、信頼性の高い通貨と言われています。しかし同時多発テロやイラク戦争、2007年に起こったサブプライム問題など、最近ではアメリカが問題の当事者になることが多いため有事の米ドル離れが起こり、米ドルの信用力も以前ほどではなくなっているのが現状です。

  1. *1 国際決済銀行調べ2010年

アメリカの経済情報

国内総生産(GDP)は世界一という大きな経済規模、さらに世界一の軍事力を誇ります。その技術開発力と生産力、消費力で世界経済を引っ張る存在です。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:1位
16,768,050(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

53,001(2013年)

実質GDP成長率*1

2.22%(2013年)

消費者物価上昇率*1

1.46%(2013年)

失業率*2

7.40%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

1,579,593(2013年)

主要輸出国*4
カナダ・メキシコ・中国・日本・イギリス
輸入*3
(単位:100万米ドル)

2,329,060(2013年)

主要輸入国*4
中国・カナダ・メキシコ・日本・ドイツ
主要産業*4

工業(全般)、農業(小麦、とうもろこし、大豆、木材他)、金融・保険・不動産業、サービス業

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省

過去10年の動き

「円キャリートレード」*1の活発化により、2007年6月には124円台へ上昇したものの、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに転じたことを契機に、円相場はドル安・円高方向に転換しました。2008年秋には世界的な金融危機となった「リーマンショック」が発生し、円は避難通貨として買われることとなり、ドル安・円高が加速。2008年後半に100円を割り込むと、その後も長引く本邦デフレ*2を背景にドル安・円高基調が続きました。2011年に東日本大震災が発生した際には、日・米・欧当局による協調ドル買い・円売り介入が行われましたが、その年の11月には市場最安値となる75円台をつけることとなりました。
長らく続いたドル安・円高基調に変化が生じたのは、東日本大震災後の原発停止によるエネルギー資源輸入の増大に伴い、2012年に本邦貿易収支が赤字に転じたことでした。安倍政権が誕生した2012年末以降は、「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、ドル高・円安が一気に進み2013年春に100円台に回復。2014年10月には日銀の追加緩和と同時に、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が外国債券、外国株式の運用比率を高めると発表をしたことから一段とドル高・円安が進行し、2015年6月には125円台後半まで上昇しました。

しかしながら、2016年に入ると原油価格が急落し、本邦貿易収支は赤字額が大幅に縮小。中国経済への懸念から世界的にリスク回避の動きが強まる中で、日銀が「マイナス金利政策」を導入したことが、「可処分所得の減少(デフレ進行)」と「銀行収益への懸念」を想起させ、円高・株安の動きが一気に強まりました。6月の英国民投票でEU離脱派が勝利した際には一時100円を割込みましたが、11月以降はトランプ新大統領の政策への期待が強まり、118円台半ばまで回復しました。

  1. *1 相対的に低金利である円を借入れ、為替市場で高金利通貨に交換して運用を行う取引。
  2. *2 物価(物やサービスの値段)が持続的に下がっていくこと(相対的に通貨の価値は高まります)。
[図]

当面の米ドル・円相場は?

トランプ新大統領が誕生した昨秋以降、市場では株高・ドル高・米金利高が進みましたが、就任から1ヶ月が経過し、期待相場から現実相場へと移行しつつあります。保護主義を掲げる米政権から為替相場への言及は静まりつつありますが、利上げに自信を深めるFRBが追加利上げを実施すれば、ドル高に対する懸念が再燃する可能性があるでしょう。本邦サイドでは、2016年に貿易収支が黒字に転じ、今年はさらに黒字額が拡大すると想定され、これは年を通じた円高圧力となります。また、本邦長期金利が昨夏以降、低下から上昇に転じており、追加緩和観測が大きく後退していることも、短期的にはドル買い・円売りを進め難い要因となっています。

一方、選挙を多数控える欧州の政治リスクについては短期的な反応に留まると思われますが、リスク回避の動きとなりやすいので注意が必要です。
中期的には、本邦貿易収支動向次第では、100円を割込むようなドル安・円高にはならずに、同水準で底堅い動きとなるものと予想します。

今後1年の予想レンジ 103円~119円

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

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注目の経済指標・イベント

名称 発表時期 概要
米雇用統計 原則として、毎月第1金曜日22時30分(サマータイム21時30分)発表<日本時間> 数ある経済指標の中でも、マーケット関係者がもっとも注目しているものの一つ。「失業率」と「非農業部門就業者数」を中心とした雇用に関する10数項目が発表され、アメリカの金融政策や財政政策の方針を決める重要な指標です。
FOMC 年に8回<基本的に6週間ごとの火曜日>開催 「連邦公開市場委員会」のこと(「Federal Open Market Committee」の略称)。日本における「日銀金融政策決定会合」にあたり、アメリカの金融政策を決定する重要な会合です。その後、発表されるスタンスや政策金利などが為替相場に影響を与えることもあり、見逃せないイベントです。
小売売上高 毎月第2週22時30分(サマータイム21時30分)発表<日本時間> アメリカの個人消費全体の動向を把握する上で重要度の高い指標です。個人消費から景気の先行きを占う指標であり、小売業の売上げなどに基づき推計。項目別では変動の大きい自動車部門を除いたコア指数が重要視されます。小売売上高の強弱がアメリカ景気のカギを握るといっても過言ではなく、経済規模から注目を集めています。
米四半期GDP(国内総生産) 1・4・7・10月の下旬 アメリカ国内で生産された最終製品やサービスなどの付加価値の総額。四半期ごとに集計されます。個人消費、設備投資、住宅投資、在庫投資、政府支出、純輸出で構成され、アメリカ経済全体の景気の動きを知るためにも、重要度が高く注目されている指標です。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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世界No.2、団結の新通貨 ユーロ



通貨の説明

話題の通貨ユーロ

EU(欧州連合)における統一通貨、ユーロ。1999年1月1日に導入され、2014年12月現在、ヨーロッパ24ヶ国で使用されています。米ドル=アメリカの通貨というように、1つの国の通貨でなく、経済情勢も政治も異なるさまざまな国で使用される通貨のため、ユーロ加盟国の1国の経済状況が通貨の動向を左右するというよりも、1国の経済状態が他のユーロ加盟国に波及すると考えられる場合に通貨価値が変動する傾向にあります。

第二の基軸通貨

ユーロは歴史の浅い通貨ではありますが、米ドルに次ぐ「第二の基軸通貨」として成長し地位を固めつつあります。また、"アンチドル通貨"とも呼ばれており、ヨーロッパ諸国の経済状況以上にアメリカの経済に大きな影響を受けます。アメリカでテロなどの不安要素が発生し米ドルが売られる際は、「避難通貨」としてユーロが買われて値上がる傾向もあります。

情報が多く、トレンドを掴みやすい

ユーロの価値を決定する材料となる経済指標やイベントは数多くあります。
中でも、EUの中で経済力の高い国の指標がユーロの値動きに影響を与えます。
ユーロの取引を行う際には、ECB(欧州中央銀行)やドイツ、フランスなどの動向は特にチェックしたい点と言えます。

EUの経済情報

欧州連合条約に基づく、政治・経済統合体であるEU。域外に対する統一的な通商政策を実施する単一市場を形成しており、単一の国としてみると世界最大の経済規模を誇ります。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

17,351,715(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

34,123(2013年)

実質GDP成長率*1

0.1%(2013年)

消費者物価上昇率*1

1.5%(2013年)

失業率*1

10.8%(2013年)

輸出*1
(単位:100万米ドル)

2,306,315(2013年)

主要輸出国*2
アメリカ・中国・スイス・ロシア・トルコ・日本・ノルウェー
輸入*1
(単位:100万米ドル)

2,233,778(2013年)

主要輸入国*2
中国・ロシア・アメリカ・スイス・ノルウェー・日本・トルコ

情報元

  1. *1 資料:JETRO 出典:EU統計局(EUROSTAT)
  2. *2 資料:外務省 出典:EU統計局(EUROSTAT)

過去10年の動き

「円キャリートレード」*1の活発化により、2008年には170円台へ上昇したものの、同年秋に発生した「リーマンショック」を契機にリスク回避の動きが強まり、ユーロ安・円高方向に転換しました。2010年にはギリシャ危機*2に端を発して、欧州債務危機が拡大。この間ECB(欧州中央銀行)による段階的な金融緩和もあり、2012年7月には11年ぶりとなる94円台まで円高が進みました。

歴史的なユーロ安・円高水準をつけた数日後、ECBのドラギ総裁が『ユーロを守るためには何でもする』と発言。これにより一方的なユーロ安の流れが止まり、相場反転のきっかけとなりました。6月には主要国として初めて「マイナス金利政策」を採用するなど金融支援策を好感し、ユーロは上昇。「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、円相場が大幅に円安となったこともあり、2014年12月には150円目前までユーロ高・円安となりました。

ところが金融支援策の効果は長続きせず、2015年に入ると再びユーロ安・円高方向に転換します。ECBは欧州の景気低迷とデフレ懸念から、1月に日本・米国に次いで「量的緩和策」の導入を決定しましたが、ギリシャの政権交代により同国の財政懸念が再燃したことなどからユーロ安は止まらず126円台まで下落。年央に一時141円台を回復するも、欧州金融機関への信用不安などから再び下落基調となりました。その後2016年に日銀が「マイナス金利政策」を導入したことから円高が進行。6月の英国民投票でEU離脱派が勝利すると、リスク回避の動きに一時110円を割込みましたが、米大統領選でトランプ候補が勝利した11月以降は、政策への期待から円安地合いとなったことから、ユーロも124円台まで回復しました。

  1. *1 相対的に低金利である円を借り入れ、為替市場で高金利通貨に交換して運用を行う取引。
  2. *2 ギリシャの財政赤字が公表数字を大幅に超過することが明らかとなったことに始まる一連の経済危機。
[図]

当面のユーロ相場は?

ユーロ相場は2015年6月に141円台をつけた以降、下落トレンドが継続しています。「量的緩和策」と「マイナス金利政策」の効果により、ユーロ圏の経済状況とインフレ動向は徐々に上向いていますが、欧州各地でのテロ発生やギリシャの債務問題、英国民投票でEU離脱派が勝利するなどの政治リスクが絶えないことが、上昇を抑える要因となっています。
2017年には3月にオランダ議会選挙、4・5月にフランス大統領選挙、9月にドイツ連邦議会選挙が控えています。特にフランス大統領選挙では、「反移民」「脱EU」を掲げる候補者が優勢との見方もあり、昨年同様リスク回避の動きが強まる可能性があります。しかしながら、ユーロ圏の景気は緩やかな回復が持続しており、こうしたイベントリスクでの急落は一時的なものに留まると予想します。

今後1年の予想レンジ 108円~128円

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

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注目の経済指標・イベント

名称 発表時期 概要
ECB政策金利 原則として、毎月第1木曜日21時45分(サマータイム20時45分)発表<日本時間> ユーロの数ある経済指標やイベントの中でも、マーケット関係者の注目度が高いものの1つ。基本的に2週間ごとにECB(欧州中央銀行)理事会が開催され、月初(その月の一度目)の会合で政策金利が決定・発表されます。
Ifo景気指数 毎月中旬以降発表 ドイツの景気に関する統計です。ドイツの公的経済研究所Ifo(Information & Forschung)がドイツ企業7,000社の経営者を対象に、現在と今後6ヶ月の景況感についてアンケート調査を行い毎月中旬以降に結果を発表。ユーロ圏の経済の中心となっているドイツの景気動向はユーロ相場を見るうえで欠かせないものとなっています。
ZEW景気指数 毎月中旬以降(Ifoの約一週間前)発表 Ifoに次いで重要度の高いドイツの景気に関する統計です。こちらはドイツの欧州経済研究センター(Zentrum fur Europaische Wirtschaftsforschung)が今後6ヶ月の景気見通しについてアナリストなど約350人にアンケート調査をして発表。約1週間後に発表されるIfoとの相関性が高く、Ifo発表までの相場を左右する先行指標として注目されます。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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金利が魅力の資源国通貨 豪ドル



通貨の説明

資源国通貨

オーストラリア連邦(以後、オーストラリアで統一)で使用される通貨、豪ドル(オーストラリアドル)。資源国通貨(コモディティー通貨)とも呼ばれます。
オーストラリアは、鉄鉱石や石炭などの鉱物資源や農産物などが豊富でそれらを主要な輸出品としており、豪ドルは原油や金、鉄といった資源価格の変動に強く影響を受けます。

魅力の高金利

豪ドルの金利は、海外からの投資を促すために高金利を維持しています。

オーストラリアの経済情報

石炭や鉄鋼石などの資源に恵まれ、貿易が活発。主な輸出国が日本や中国などのアジア諸国なので、アジア経済の動向に影響を受けやすい傾向があります。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:12位
1,505,924(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

64,578(2013年)

実質GDP成長率*1

2.33%(2013年)

消費者物価上昇率*1

2.45%(2013年)

失業率*2

5.70%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

252,665(2013年)

主要輸出国*4
中国・日本・韓国
輸入*3
(単位:100万米ドル)

242,132(2013年)

主要輸入国*4
中国・アメリカ・日本
主要産業*5

農林水産業、鉱業、製造業、建設業、卸売・小売業、運輸・通信業、金融・保険業、専門職・科学・技術サービス など

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省 出典:外務貿易省統計
  5. *5 資料:外務省 出典:豪州統計局

過去10年の動き

豪ドルの対円相場は、①政策金利が主要先進国と比較して高いこと、②主要輸出品である石炭・鉄鉱石・金などの商品価格が上昇したこと、③主要輸出先である中国の経済成長が著しかったことに加え、「円キャリートレード」*1が活発化し、円安となったことなどを背景に、2007年には108円手前まで豪ドル高・円安が進みました。

しかし、世界的な金融危機となったリーマンショックを契機にリスク回避の動きが強まり、豪ドル安・円高方向に転換。資源国通貨*2である豪ドルは、商品市況などの影響も強く受け、高値からわずか1年足らずでほぼ半値となる55円台まで下落しました。

豪州準備銀行(オーストラリアの中央銀行)は景気回復に向け、主要国の中でも積極的に金融緩和を進め、7%であった政策金利を1年後には3%へ引き下げました。利下げしたとはいえ、主要国と比べて金利が高く資金流入が続いたことや、中国など新興国の経済成長が高まり資源に対する需要が再び拡大したことなどから、豪ドル・円相場は持ち直し、2011年4月には90円台を回復。2012年秋以降は「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、円相場が大幅に豪ドル高・円安となったこともあり、2013年4月には105円台まで上昇しました。

ところが、中国の景気減速傾向が明らかになるにつれて、鉱物価格や原油価格の下落が鮮明になると、再び豪ドル安・円高方向に転換。インフレ懸念の低下から豪州準備銀行は再び利下げを開始し、2016年には政策金利は史上最低となる1.5%へと低下。ドル・円相場が100円に迫る円高となった2016年6月には、一時72円台半ばまで下落しました。その後は原油相場の安定を好感して下げ止まると、11月以降はトランプ新米大統領の政策への期待からドル・円相場が円安地合いとなり、豪ドル・円相場は87円台まで回復しました。

  1. *1 相対的に低金利である円を借り入れ、為替市場で高金利通貨に交換して運用を行う取引。
  2. *2 鉱物資源や農産物などの「資源」を産出し、輸出額に占めるそれらの割合が高い国の通貨。
[図]

当面の豪ドルは?

2016年8月に政策金利を史上最低となる1.5%へ引き下げた際には、さらなる追加利下げが見込まれていましたが、その後6ヶ月間同水準で据え置かれています。豪ドルの対米ドル相場は1年程度もち合いを続けていますが、豪州中央銀行は、①現時点で更なる利下げを検討していないこと、②「豪州経済(GDP)は今後1~2年で3%程度の伸びとなるであろう」と楽観的見方を示していること、加えて③足下での資源価格の上昇や貿易収支の改善により、相場は上昇する兆しを見せています。一方で、引き続き為替市場での豪ドル高には神経質になっており、これが相場の上値を抑える要因となりそうです。

対円ではドル・円相場の影響が強く、豪ドル・円相場は、やや円高方向のリスクが高いと思われます。

今後1年の予想レンジ 82円~92円

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

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本情報は執筆者の見解に基づき作成されたものであり、当行の統一された見解ではありません。本情報を使用することにより生ずるいかなる種類の損失についても当行は責任を負いません。

なお、当資料の無断複製、複写、転送はご遠慮ください。当行の都合により、本情報の全部または一部を予告なしに変更することがありますので、予めご了承ください。また、本情報は著作物であり、著作権法により保護されております。当行の書面による許可なく複製又は第三者への配布をすることはできません。

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注目の経済指標・イベント

名称 発表時期 概要
RBA政策金利 原則として、毎月第1火曜日13時30分(サマータイム12時30分)発表<日本時間> 中央銀行であるRBA(オーストラリア準備銀行)が、政策金利をはじめとする金融政策を決定する「金融政策委員会」を実施。委員会後、政策金利発表が行われます。
商品相場   資源国通貨と言われる豪ドルの取引の際には、商品相場の価格がオーストラリアの景気にも影響するため、商品相場の動きもチェックしたいところです。
豪雇用統計(新規雇用者数・失業率) 原則として、毎月上旬10時30分(サマータイム9時30分)発表<日本時間> 豪連邦統計局(ABS:Australian Bureau of Statistics)が発表する豪ドルに大きな影響を与える指標です。新規雇用者数は、前月比でどれだけ新規雇用者が増減したかを、失業率は就業可能な人口からみた失業者の割合を表します。
CPI・消費者物価指数 1・4・7・10月の下旬10時30分(サマータイム9時30分)発表<日本時間> 四半期ごとに豪連邦統計局(ABS:Australian Bureau of Statistics)が前月比と前年比を発表。物やサービスを購入する際の物価の変動を指数化したもので、オーストラリアの物価関連の指標の中でも重要度が高いと言われています。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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経済成長を続ける中国の通貨 中国元



通貨の説明

管理変動制相場

中華人民共和国(以後、中国で統一)の通貨、中国元。その為替相場は、管理変動相場制という特殊な為替制度が採用され、中央銀行である中国人民銀行が管理。中国政府当局により為替の変動がある一定の範囲内に抑えられています。

自由化が進む中国元相場

近年、中国の経済発展により中国元の取引ニーズも高まり、その変動幅が徐々に拡大。2012年6月から円と中国元の直接取引が始まったことなどからも見て取れるように、中国元は少しずつ自由化・国際化の準備を進めつつあります。

中国の経済情報

過去30年ほどで急速な経済成長を遂げ、現在は世界第2位の経済大国に。しかし、近年ではGDP成長率目標が引下げられるなど、今後の経済成長停滞の兆候が表れてきており、その動向は注視したいところです。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:2位
9,469,124(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

6,959(2013年)

実質GDP成長率*1

7.70%(2013年)

消費者物価上昇率*1

2.62%(2013年)

失業率*2

4.60%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

2,209,007(2013年)

主要輸出国*4
アメリカ・EU・香港・ASEAN・日本
輸入*3
(単位:100万米ドル)

1,949,992(2013年)

主要輸入国*4
EU・ASEAN・日本・韓国・アメリカ
主要産業*5

繊維、食品、化学原料、機械、非金属鉱物

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省 出典:中国海関総署
  5. *5 資料:外務省

過去10年の動き

2005年7月、自国為替相場を米ドルと連動させる「ドルペッグ制」から主に市場の需給環境に委ねる「管理変動相場制」に移行したことにより、実質的な中国元の切上げが行われました。潤沢な外貨準備を保有し世界最大の経常黒字を計上していることや、アメリカが『中国元が著しく過小評価されている』と批判していることに対して、中国当局は緩やかな中国元高を容認してきました。2008年秋に発生したリーマンショックの際には、中国元売り・米ドル買い介入により1米ドル=6.83元に固定され、この実質的な「固定相場制」は2010年6月に「管理変動相場制」に復帰するまで1年9ヶ月続きました。

中国政府は中国元の国際化の一環として、2009年7月に中国本土外での中国元決済を容認する「クロスボーダー決済」を解禁し、他国通貨との直接為替取引の開始や貿易決済通貨としての使用拡大に向け、国際化に努めたことも中国元高要因となったと考えられます。

対円では「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、2012年後半以降円相場が大幅に円安となったことから、2012年秋の12円台から2015年6月には20円台まで上昇しました。しかしながら、膨大な経常黒字を背景に高成長を続けてきた中国経済の減速感が明確となり、中国人民銀行は、預金準備率引き下げなどの金融緩和策を相次いで実施。2015年8月には、中国人民銀行が毎日決定している中国元の対ドル為替レート「基準値」を2%引き下げる実質的な「通貨切り下げ」を行ったことで、中国元は大幅に下落し、長らく続いた中国元高の流れが中国元安へと変化しました。2016年6月にはドル・円相場が100円に迫る円高となったことから、対円では一時15円を割込む水準へと下落。11月以降はトランプ米新大統領の政策への期待からドル・円相場が円安地合いとなり、中国元・円相場は17円台まで回復しました。

[図]

当面の中国元は?

大胆な金融緩和策と中国元安策により、中国経済の減速感は一服していますが、今後もリーマンショック以降、世界経済を牽引してきたような高成長を期待することはできず、横ばいか、緩やかな減速が見込まれています。また、新たな中国リスクとして、2015年以降の中国元安に伴い、中国からの大幅な資本流出(中国から海外への直接投資が、国内への直接投資を上回る状態)が続いていることが注目されます。政府は対策として、オフショア市場(中国本土以外の市場)で中国元の資金供給を抑制することで中国元高方向へ誘導する一方、海外送金などの規制を強めています。

昨年秋のトランプ米新大統領誕生後、「二つの中国」発言や中国元安政策への批判など、米中関係の悪化が懸念されていましたが、経済戦略対話などにより、足下では両国間の関係はやや改善しているように窺えます。しかしながら、4月以降に米国から「為替操作国」と認定される可能性もあり、今年の中国元相場は振れ幅が大きくなる可能性があります。

対円ではドル・円相場の影響が強く、中国元・円相場は、やや円高方向のリスクが高いと思われます。

今後1年の予想レンジ 14円00銭~18円00銭

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

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注目の経済指標・イベント

中国元の切上げ

切上げとは、中国元の通貨価値を高めること。具体的には、為替レートを元高にすることを言います。経済成長を遂げている中国の国力と比較して、為替レートの水準は、購買力平価(1つの商品をいくらで買えるか、自国と他国を比較した交換レート)などの数値から見ても、割安で経済情勢に見合わないという見方があります。

しかし、中国にとって自国通貨安は輸出で有利となり、各国との貿易で利益を上げることができるため、切上げには慎重な姿勢が見られます。

これまで、主要貿易相手国のアメリカなどから中国元切上げの圧力があり、それに伴い上昇してきたという過去があります。

中国元相場の推移(対米ドル)
中国元相場の推移(対米ドル)
名称 発表時期 概要
中国四半期GDP(国内総生産) 原則として、毎月第1火曜日13時30分(サマータイム12時30分)発表<日本時間> 中国国家統計局が発表するGDPは、国の経済規模をはかるものとして、重要な指標の1つとなっています。世界経済にも影響力を強く持つ中国の経済動向は、注目度も高いです。
HSBC/マークイット製造業PMI 毎月下旬発表 英調査会社マークイットが集計し、スポンサーの英金融大手HSBCが公表。中国の製造業約400社以上の購買担当者の生産意欲などをアンケートして指数化したもので、中国の景気の先行指標として注目されています。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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[中国元相場の推移(対米ドル)の提供]
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  • あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
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以上の点をご了承の上、ご利用ください。

国際イベントにより高まる注目度 レアル



通貨の説明

"BRICS"の一角

ブラジル連邦共和国(以後、ブラジルで統一)が発行する通貨、レアル。現在のレアルは1994年から導入されました。
ブラジルは、1990年代には国家破綻の危機に陥りましたが、現在では南米最大の経済規模を誇る国となっています。
2014年にはワールドカップが開催され、来る2016年にはオリンピックの開催を予定。これにより国際的な信用力と国内インフラ整備の期待が高まっています。
また、ロシア・インド・中国・南アフリカとあわせ経済発展の著しい国とされており、"BRICS"と呼ばれ世界経済に対する影響力が強まっているといわれています。

高金利・資源国通貨

ブラジルの政策金利は世界の主要国・地域の中では相対的に高い水準にあります。
また、鉱物資源や農産物を産出し輸出している資源国であり、産出する資源価格の動きに国内景気、国際収支が影響を受けることから、レアルは商品市況の動きに連動する傾向があります。

ブラジルの経済情報

経済安定化による失業率の低下や所得の上昇から、個人消費が増加しており、経済成長の源泉となっています。伝統的な農牧業の他、工業および鉱業が盛んです。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:7位
2,246,037(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

11,173(2013年)

実質GDP成長率*1

2.49%(2013年)

消費者物価上昇率*1

6.20%(2013年)

失業率*2

5.90%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

242,179(2013年)

主要輸出国*4
中国・アメリカ・アルゼンチン・オランダ・日本、ドイツ・インド
輸入*3
(単位:100万米ドル)

250,447(2013年)

主要輸入国*4
中国・アメリカ・アルゼンチン・ドイツ・韓国・ナイジェリア・日本
主要産業*5

製造業、鉱業(鉄鉱石他)、農牧業(砂糖、オレンジ、コーヒー、大豆他)

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省 出典:ブラジル開発商工省
  5. *5 資料:外務省

過去10年の動き

経済発展の著しいBRICS*1の1ヶ国として投資資金が流入したことに加えて、「円キャリートレード」*2が活発化し円安となったこともあり、2008年8月には一時70円手前まで上昇しました。
しかし、世界的な金融危機となったリーマンショックを契機にリスク回避の動きが強まり、レアル安・円高方向に転換。わずか4ヶ月の間に35円台まで急落しました。2009年からは金融緩和による景気刺激策がとられ、中国など新興国の経済成長により資源に対する需要が再び拡大したことや2016年のオリンピック開催決定などが好感され、レアル・円相場は持ち直し、2010年には54円台まで回復しました。

2012年以降は、通貨高が国際競争力を低下させるとして、当局はレアル高抑制政策を打出し、魅力のひとつである高い政策金利が12.5%から7.25%まで段階的に引下げられました。2012年秋に始まった「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、円は主要通貨に対しては大幅に円安となりましたが、こうした状況下でレアル・円相場は40円~50円での取引が2年程続きました。

2015年からは、ブラジルを取り巻く環境は厳しいものとなりました。財政状態が悪化し、政策金利は再び14%台へ引上げられ、インフレ加速による金融引き締めが景気の更なる悪化に繋がり、2015年9月にはリーマンショック時の安値を下回る28円台と史上最安値を更新しました。オリンピックイヤーとなった2016年3月には、27円台と再度史上最安値を更新しましたが、長らく続いたレアル安は同水準でようやく下げ止まりました。職務停止となったルセフ大統領に代わるテメル新大統領への期待や、資源価格の回復、高金利を求める投資家からの資金流入が活発化し、レアルは対米ドルで上昇しました。しかしドル・円相場が円高基調となったこともあり、レアル・円相場は30円台前半での推移が続きました。

  1. *1 2000年代以降著しい経済発展を遂げているブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(Brazil、Russia、India、China、and South Africa)の5ヶ国の総称。
  2. *2 相対的に低金利である円を借り入れ、為替市場で高金利通貨に交換して運用を行う取引。

当面のレアルは?

世界経済の緩やかな回復や、主要輸出国である中国の景気減速懸念が和らいだことに加え、昨秋にOPEC(石油輸出国機構)の減産合意により原油価格が安定したことから、ブラジル経済は長い不況から抜け出そうとしています。インフレ率が中央銀行目標の上限を下回ってきたことから、中央銀行は2017年1月に政策金利を13.0%と3会合連続で引き下げを行い、国内景気を刺激する政策に転じました。テメル新政権の不安定さが懸念されますが、依然として高い利回りを求める投資家からの資金流入が期待でき、緩やかな上昇地合いを辿るものと予想します。

今後1年の予想レンジ 32円~42円

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

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注目の経済指標・イベント

名称 発表時期 概要
拡大消費者物価指数(IPCA) 毎月前半/日本時間20時頃発表 ブラジルには複数の物価指標がありますが、ブラジル地理統計院(IBGE)が毎月発表するIPCAは、中央銀行がインフレ指標として採用する重要な指標です。
国内総生産(GDP) 3、6、9月前後/日本時間21時頃、11月末/日本時間20時頃発表 ブラジル地理統計院(IBGE)が発表する重要統計で、2012年7-9月期は前年同期比+0.9%となりました。前年比でのGDP伸び率は2012年から1%台を下回っており、政府と中央銀行による刺激策の効果が待たれるところです。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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世界トップブランドが牽引 ウォン



通貨の説明

アジアの第三通貨

日本の隣国、大韓民国(以後、韓国で統一)の通貨、ウォン。現在の東アジアにおいては、円、中国元に次ぐ第三の通貨となっています。近年では韓流ブームの影響も手伝って円とウォンの交換が増え、外貨投資の対象としても関心を集めるようになってきました。

韓国企業の躍進

日本と並び、アジア経済を牽引していると言っても過言ではない韓国企業。貿易立国である韓国にとって輸出は最重要産業であり、電化製品や自動車の分野ではアジア市場だけでなく、世界市場を席巻しています。日本でも知られるサムスン電子をはじめとする韓国メーカーが世界的な企業に成長し、日本企業を上回る業績を出しています。

韓国の経済情報

2013年、輸出が堅調に増加を続ける中、民間消費や建設投資も増加。
輸出・貿易の依存度が高く世界経済の影響を受けやすい経済構造になっています。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:14位
1,304,468(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

25,975(2013年)

実質GDP成長率*1

2.97%(2013年)

消費者物価上昇率*1

1.30%(2013年)

失業率*2

3.10%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

559,632(2013年)

主要輸出国*4
中国・アメリカ・EU・日本・香港
輸入*3
(単位:100万米ドル)

515,586(2013年)

主要輸入国*4
中国・日本・EU・アメリカ・サウジアラビア
主要産業*4

電気・電子機器・自動車・鉄鋼・石油化学・造船

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省

過去10年の動き

1997年に発生したアジア通貨危機の際には、IMF(国際通貨基金)からの資金支援を受ける結果となり、ウォンは急落しましたが、その後は経常収支の改善や外貨準備の拡大により徐々に信頼を取り戻し、2007年には対円で13円台半ばまで回復しました。しかし、世界的な金融危機となったリーマンショックを契機にリスク回避の動きが強まったことに加え、自国通貨高の影響から経常収支が著しく悪化し、2009年には再び6円台前半へと下落しました。一時は『韓国危機説』まで囁かれる状況となりましたが、日韓通貨スワップ協定*というセーフティネットの増額が施されたことにより危機を脱し、その後は世界経済が徐々に立ち直ると共に外需が回復し、ここ数年は緩やかなウォン高地合いとなりました。

2012年秋以降は「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、円相場が大幅に円安となったこともあり、2015年6月には11円台まで上昇しました。しかし中国経済の減速傾向が明確化したことや、ウォン高・円安により輸出の低迷が続いたことを背景に、中央銀行は政策金利を史上最低となる1.25%まで段階的に引下げました。これを受け2015年半ばから再び下落基調となり、2016年6月には8円台半ばまで下落し、現在は9円台後半での推移となっています。

  • * 2005年に日本銀行と韓国銀行(中央銀行)が結んだ、円とウォンを相互に融通し合う通貨スワップ協定。2008年12月に引出し限度額を200億ドル相当に増額(2015年2月、協定期限を迎えて終了)。
[図]

当面のウォンは?

昨年12月、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案が国会で可決され、大統領は職務停止に追い込まれました。大統領失職となるかは今後の憲法裁判所の判断に委ねられますが、大統領不在の中、韓国経済は苦境に立たされています。2016年の実質GDPは+2.8%、2017年は+2.6%と見られ、世界平均(2016年+2.9%、2017年+3.3%)を下回る水準となっています*

足下では主力の輸出不振が続き、国内消費が低迷するなど韓国経済はしばらく厳しい状況が続くと思われますが、昨秋のOPEC(石油輸出国機構)減産合意以降、原油価格が安定していることで新興国経済が持ち直しており、新興国向け輸出の増加に繋がることが期待されます。また、消費者物価指数が4年ぶりの水準に上昇していることが、史上最低水準まで低下している政策金利の追加利下げ観測を払しょくすることとなり、ウォンの下支え要因となっています。

韓国中央銀行はウォン安への対策として、断続的にウォン買いの市場介入を行っていることから、対ドル・対円ともにもち合い推移が予想されます。

  • * OECD(経済協力開発機構)調査

今後1年の予想レンジ 8円50銭~10円50銭

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

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注目の経済指標・イベント

名称 発表時期 概要
消費者物価指数 毎月第1営業日/日本時間8時頃発表 最終消費者によって購入された財とサービスの平均価格を計る指標です。韓国の金融政策を決める重要指標として市場の注目度が高い指標の一つです。
貿易統計 毎月1日/日本時間8時頃発表 貿易立国である韓国にとって、輸出入統計は重要な統計の一つ。国別の輸出入比率と増減率が発表され、2012年の輸出先は中国がトップ、次いでアメリカ、日本、欧州連合(EU)となっています。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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鉱物資源が支える南アフリカ経済 ランド



通貨の説明

金の生産量世界No.1

南アフリカ共和国(以後、南アフリカで統一)の通貨、ランド。鉱物資源が豊富なため、資源国通貨の一つとみなされ「高金利通貨」としても認知されています。資源価格の上昇は、ランド相場の上昇や金利上昇の一因となる場合もあります。
また、欧米の自動車メーカーの拠点になっており、ヨーロッパとの強い結びつきがあります。

高金利通貨

海外からの投資資金を集める・インフレ対策などの理由から南アフリカの政策金利は相対的に高金利となっています。資源国・高金利であることから人気の通貨となっていますが、南アフリカ自体に政治的・経済的に抱える問題も多く、相場の不安定さも併せ持っています。

南アフリカの経済情報

金・ダイヤモンド・レアメタルなどの鉱物を産出し、その輸出により南アフリカ経済は支えられています。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:33位
350,800(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

6,621(2013年)

実質GDP成長率*1

1.89%(2013年)

消費者物価上昇率*1

5.75%(2013年)

失業率*2

24.90%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

95,942(2013年)

主要輸出国*4
中国・アメリカ・日本・ボツワナ・ドイツ
輸入*3
(単位:100万米ドル)

126,350(2013年)

主要輸入国*4
中国・ドイツ・サウジアラビア・アメリカ・インド・日本
主要産業*4

畜業、メイズ、サトウキビ、大豆、柑橘類、ジャガイモ、小麦、その他の野菜・果物類、羊毛、皮革類、金、プラチナ、鉄鉱石、石炭、銅、クロム、マンガン、ニッケル、ダイヤモンド、バナジウム、チタン、食品、製鉄、化学、繊維、自動車

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省

過去10年の動き

2005~2007年までは16~18円を中心に推移(高値は2006年の19円台)していましたが、世界的な金融危機となったリーマンショックを契機に、高金利通貨にもリスク回避の動きが強まりランド安・円高となり、高値をつけてからわずか2年半で7円台まで下落しました。
しかし、中国など新興国の経済成長が高まり資源に対する需要が再び拡大したことなどから、ランド・円相場は持ち直し、2010年には12円台後半まで回復しました。

南アフリカ経済において大きな懸念となっているのは、労働問題です。教育水準の低さなどから失業率が25%を超え、待遇改善を訴えるストライキが頻発するなど不安定な状況が続いています。2014年上半期にもプラチナ鉱山で6ヶ月間のストライキが続き、生産活動の停滞が長期化しました。また、2012年秋に始まった「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、円は主要通貨に対しては大幅に円安となりましたが、こうした問題によりランド・円相場は10円を挟んでの取引が続きました。

2016年には資源価格の回復や、前年まで大幅に売り込まれた反動から、対米ドルでランドは強含み推移となりましたが、前半期は100円に迫る円高となったドル・円相場の影響が強く、同年6月に一時6円台前半まで下落しました。しかし2016年後半は、閣僚のスキャンダルや財政悪化による格下げ懸念などの悪材料は多かったものの、消費者物価指数が6%前後で落ち着いたことや資源高により貿易収支が改善したことで、対ドルでの上昇が継続。11月以降は、トランプ新米大統領の政策への期待からドル・円相場が円安地合いとなり、対円でも8円台半ばまで回復しました。

[図]

当面のランドは?

足下での消費者物価指数は、中央銀行のインフレターゲットを上回っていますが、政策金利は昨年3月以降、7%で据置かれています。当面は同水準で推移すると見込まれていますが、インフレの落ち着きが確認されれば、景気刺激のために利下げ方向に転ずるものと思われます。資源価格の上昇により、GDPは2016年、2017年ともにプラス成長が予想されていることや、貿易の黒字化がランドを下支えするでしょう。

ランドは相対的に高金利通貨であり、海外からの資金流入は続くものと思われますが、一方で政局不安や格下げ懸念が上値を抑える要因となりそうです。

対円ではドル・円相場での円高の影響が強く、やや円高方向のリスクが高いと思われます。

今後1年の予想レンジ 7円00銭~10円00銭

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

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注目の経済指標・イベント

名称 発表時期 概要
貿易収支 毎月下旬/日本時間21時頃発表 輸出国である南アフリカの経済状況を確認するうえで参考となる重要な経済指標です。主な輸出品は、金・ダイヤモンド・プラチナ・ウラン・鉄鉱石・石炭などの鉱物資源と自動車などの工業製品ですが、現在、輸出額よりも輸入額が多い赤字の状況が続いています。
国内総生産(GDP) 2、5、8、11月下旬/日本時間18時半頃発表 南アフリカ統計局が四半期ごとに発表する経済統計です。南アフリカの経済成長率を知ることができます。
CPI・消費者物物価指数 毎月20日頃/日本時間17時頃発表 毎月、南アフリカ政府統計局が発表する指標で、消費者が実際に購入する段階での商品の小売価格(物価)の変動を表したものです。景況感やインフレ率、消費動向を見極める材料として重要視されています。
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健全な財政状況 NZドル



通貨の説明

安定した経済状況

ニュージーランドが発行する通貨、NZドル。ニュージーランドの国鳥にちなんで「キウイ」という愛称でも知られています。ニュージーランドは高い経済成長率を達成しており、財政もとても健全で失業率も低く評判の良い国です。
政府債務の国内総生産(GDP)比*は36.2%(2011年度)と主要先進国と比べて良好で、格付けはAaa(ムーディーズによる)となっています。

  • * 日本:205.5%、アメリカ:102.7%、イギリス:97.9%、ドイツ:87.2%、カナダ:83.8%
    出展:OECD "Economic Outlook No 91"(2012年6月)

豪ドルからの影響

NZドルは同じオセアニア通貨の豪ドルと並び、先進国通貨の中では相対的に金利水準が高くなっており、高金利通貨として有名です。投資家の間で高い人気を誇りますが、ニュージーランドは人口わずか400万人で経済規模も小さく、NZドルの流動性も低いため、値動きが大きくなる傾向があります。
また、ニュージーランド経済は、隣接し最大の貿易相手であるオーストラリア経済の影響を強く受けます。そのため、NZドルの値動きは豪ドルと似た動きをするという特徴があります。

ニュージーランドの経済情報

農畜産を基盤とし、農業資源国としての役割を担っており、ニュージーランド経済は輸出を主な原動力にしていると言えます。また、貿易・観光など、オーストラリアへの依存度が高まっています。

名目GDP*1
(単位:100万米ドル)

順位:55位
181,574(2013年)

一人あたり名目GDP*1
(単位:米ドル)

40,516(2013年)

実質GDP成長率*1

2.84%(2013年)

消費者物価上昇率*1

1.13%(2013年)

失業率*2

6.2%(2013年)

輸出*3
(単位:100万米ドル)

39,445(2013年)

主要輸出国*4
オーストラリア・中国・アメリカ・日本
輸入*3
(単位:100万米ドル)

39,641(2013年)

主要輸入国*4
中国・オーストラリア・アメリカ・日本
主要産業*5

酪農製品、肉類、林産品、水産物

情報元

  1. *1 資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF
  2. *2 資料:GLOBAL NOTE 出典:ILO
  3. *3 資料:GLOBAL NOTE 出典:UNCTAD
  4. *4 資料:外務省 出典:NZ統計局
  5. *5 資料:外務省

過去10年の動き

NZドルの対円相場は、①政策金利が主要先進国と比較して高いこと、②財政状態が好転したこと、③最大の貿易相手国であるオーストラリアの景気が好調であったことに加え、「円キャリートレード」*1が活発化し、円安となったことなどを背景に、2007年には97円台後半までNZドル高・円安が進みました。しかし、世界的な金融危機となったリーマンショックを契機にリスク回避の動きが強まり、NZドル安・円高方向に転換。資源国通貨*2であり、他通貨と比べて流通量が小さいNZドルは、商品市況などの影響を特に強く受け、2009年2月には高値から半値以下となる44円台まで下落しました。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は景気回復に向け、オーストラリアと共に積極的に金融緩和を進め、8%台であった政策金利を1年後には2%台へ引下げました。利下げしたとはいえ、主要国と比べて金利が高く資金流入が続いたことや、新興国を中心とした資源需要の拡大により商品市場が活況となったことなどから、NZドル・円相場は反発に転じ、2009年後半から約3年にわたり60~70円の水準で推移しました。

2012年秋以降は「アベノミクス政策」や日銀による「異次元緩和」を受け、円相場が大幅に円安となったこともあり、2013年4月には約5年ぶりとなる86円台まで上昇しました。2011年に発生したクライストチャーチ地震からの復興需要や、好調な内需に伴う物価上昇から、中央銀行は2014年3月、他国に先んじて政策金利の引上げを決定。その後も段階的に利上げを実行したことでNZドル高が進み、同年12月には94円台まで上昇しました。

ところが、自国通貨高を懸念する中央銀行は、原油価格が急落し世界的にインフレ圧力が低下したこと、および主要輸出品目である乳製品価格の下落を理由に2015年6月から再び利下げを開始し、2016年には政策金利は史上最低となる1.75%へと低下。ドル・円相場が100円に迫る円高となった同年6月には、一時69円台前半まで下落しました。その後は金利低下を好感して株価が史上最高値を更新したことや、11月以降はトランプ新米大統領の政策への期待からドル・円相場が円安地合いとなり、NZドル・円は83円台まで回復しました。

  1. *1 相対的に低金利である円を借り入れ、為替市場で高金利通貨に交換して運用を行う取引。
  2. *2 鉱物資源や農産物などの「資源」を産出し、輸出額に占めるそれらの割合が高い国の通貨。
[図]

当面のNZドルは?

中央銀行は2月の会合で政策金利を史上最低水準の1.75%に据置きましたが、「今後かなりの期間、緩和状態が維持される」との見方を示しました。乳製品価格の動向が、景気を左右する状況が続いていますが、足下では観光業が好調でGDPに貢献しています。国内の財政状況は良好で、主要国の中では比較的高金利であることから、海外からの資金流入がNZドルの下支え要因となるでしょう。しかしながら、中央銀行がNZドル高を牽制する姿勢は変わっておらず、これが相場の上値を抑える要因となりそうです。

対円ではドル・円相場の影響が強く、NZドル・円相場は、やや円高方向のリスクが高いと思われます。

今後1年の予想レンジ 75円~85円

  • 当内容は2017年2月28日現在の見解です。

執筆者:株式会社じぶん銀行 ALM部長 島本薫

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名称 発表時期 概要
RBNZ政策金利発表 年8回毎月第一火曜日7時45分(サマータイム6時45分)発表<日本時間> ニュージーランドの中央銀行であるRBNZ(ニュージーランド準備銀行)が開催し、政策金利などを発表。為替相場に与える影響が大きいため、注目の指標となっています。
実質国内総生産(GDP) 3、6、9、12月下旬/日本時間6時45分頃発表 ニュージーランド統計局が四半期ごとに発表する経済統計です。ニュージーランドの経済成長率を確認することができます。
失業率 2、5、8、11月上旬/日本時間6時45分頃発表 就業者数の増減(前期比、前年比)が公表されるため、失業率だけでなく、実質的な就業者数の増減を確認することができます。
  • 発表時期は予定であり、変更される場合もあります。

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