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2024/01/29

20代女性一人暮らしの貯金はどれくらい必要なのか? 平均や目安を紹介

執筆者:馬場愛梨(ファイナンシャル・プランナー)

自分の貯金額が多いのか少ないのか、今のままで問題ないのかわからず、不安を感じている人もいるでしょう。この記事では、一人暮らしをしている20代の女性の場合、いくら貯金があるのが理想的なのかを解説します。

同世代の平均貯金額や毎月の貯金額の目安についてもあわせて紹介しますので、参考にしてみてください。

※ちなみに
「貯金」と「預金」の違いはお金を預ける金融機関の違いです。大きく下記2つに分けることができます。本記事ではどちらの場合も「貯金」という言葉を使って説明します。

  • 貯金:ゆうちょ銀行、JAバンク、JFマリンバンクなどにお金を預ける場合
  • 預金:銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などにお金を預ける場合

■一人暮らしの20代の平均貯金額

まずは、同じような状況にいる人がどの程度貯金しているのか、統計をもとに平均値をチェックしてみましょう。

金融広報中央委員会の調査によれば、一人暮らしの20代の金融資産保有額は平均「176万円」となっています。ここでいう金融資産とは、運用のため、もしくは将来に備えて蓄えている金額のことです。現金、日常的な出し入れや引き落とし用の預貯金、不動産などは含まれません。

1つ注意したいのが、平均値は突出して高い金融資産保有額の少数の人が一気に引き上げてしまう可能性もあるという点です。同調査では、平均値とは別に中央値も公表されています。中央値は、ランキング順に並べたときにちょうど真ん中に来る人の数値のことで、平均値より実態に近いといわれています。

同調査で一人暮らしの20代の回答結果を見てみると、金融資産保有額の中央値は「20万円」となっています。また、「金融資産を持っていない」と答えている人は42.1%にのぼります。

一人暮らしは実家暮らしに比べて生活費がかかりやすく、また、20代はまだ給与水準が低いことが多いため、「一人暮らし×20代」の組み合わせは貯金が難しくなる傾向があります。「なかなか貯められない」と悩んでいる人も少なくないでしょう。

■女性の一人暮らしの平均生活費

前述のとおり、一人暮らしは生活費が高くなりがちです。では、若い女性の一人暮らしでは、生活費はいくらくらいかかるのが平均的なのでしょうか。総務省の統計によると、以下のとおりです。

【34歳以下×女性×一人暮らし×勤労者(会社や官公庁などに雇用されている人)の生活費】

費目 1ヵ月あたりの平均額

食費

3万921円

住居費

4万1,613円

水道・光熱費

8,957円

家具・家事用品

4,259円

被服及び履物(衣類や靴)

8,039円

保健医療

4,655円

交通・通信

2万508円

教養娯楽

2万877円

その他の消費支出

2万3,301円

合計

16万3,130円

  • 20代に限定した調査結果がないため、公表されている中で最も若い「34歳以下」の数値を掲載。

同条件の男性に比べて月4,000円ほど高くなっています。しかし、35歳~59歳の女性(その他同条件)よりは月3万4,000円ほど低いという結果でした。

■20代女性の平均給与

20代女性は、給与が少ないために貯金が難しいというケースも少なくありません。給与の平均値も確認しておきましょう。

【民間企業で働く女性の平均給与】

20歳~24歳

252万6,000円(1ヵ月あたり約21万500円)

25歳~29歳

349万円(1ヵ月あたり約29万800円)

同年代の男性に比べて低く、その後の給与の上昇率も男性より低い傾向があります。

■20代女性はいくら貯めておけば安心?

前述のとおり、一人暮らしの20代女性は比較的貯金が難しい状況にいる人も多く、「うまく貯められない」「貯金が少なくて不安」という人もいるでしょう。実際のところ、いくらくらい貯めておけば安心なのでしょうか。

●貯金額の目安は「生活費の6ヶ月分」

一般的に、必要な貯金額の目安は「生活費の6ヶ月分程度」といわれています。それだけあれば、突発的にお金が必要になったとき(たとえば急病時や失業時、旅行やご祝儀など出費が多い時期がかさなったとき、家電が壊れたときなど)に対応できる可能性が高いからです。

いつ誰が想定外の支出に見舞われてもおかしくありません。今はまだ貯金が少ない人も、緊急時のための最低限の備えとしてまずは「生活費の6ヶ月分」の確保を目指してみてはいかがでしょうか。

前述の平均的な支出(月16万3,130円)の人なら、6ヶ月分は97万8,780円です。この場合、ひとまず100万円の貯金があれば安心できそうです。

ただ、この基準はあくまで一般的なものです。必要な金額や安心できる金額は、個々の生活状況や価値観などによっても異なります。たとえば、毎月の収入額がバラバラで不安定になりやすいフリーランスや自営業者の場合は「生活費の1~2年分」が目安といわれることもあります。

自分はいくら貯めるべきなのかを考えて目標を設定し、それを達成するために工夫してみましょう。具体的な目標の立て方や、無理なくできる貯金の工夫について詳しくは後述します。

●毎月の貯金額の目安は「手取りの10%~20%」

貯金額の目安をもう1つ紹介します。それは、毎月の貯金額は「手取りの10%~20%」というものです。

たとえば、手取り20万円の人なら毎月2~4万円を貯金に回すのが理想的とされています。ちなみに、毎月3万円ずつ貯金していけば、3年ほどで100万円に達します。

なお、この基準は収入や生活環境などによって、達成の難易度が大きく変わります。1つの目安として捉えつつ、自分の場合は何%なら実現できそうか、現実的なラインを考えてみましょう。

■20代のうちの貯金が重要な理由

20代のうちに貯金しておくことは、今後の人生にとって非常に重要です。その理由は、主に次の3つです。

  • 緊急時の備えのため
  • 変化に対応するため
  • やりたいことを実現するため

また、20代はまだこれから結婚、子育て、住宅購入、転職などさまざまな生活環境の変化が発生する可能性が高い年代です。また、「この趣味を極めたい」「会社を辞めて独立したい」など、実現したい夢が今後新たにできるかもしれません。

そんなとき、ほぼ確実に頭をよぎるのが「お金」のことです。充分に貯金がある状態なら、やりたいことをあきらめることなくチャレンジしやすくなります。

将来お金に困ることなく豊かな生活を送りたいなら、今のうちから少しずつでも、家計を管理する方法を身につけ、貯金を習慣づけていくようにしましょう。

■貯金を増やすためにできること

たとえ人より給与が少なくても、工夫次第で貯金を増やすことは可能です。無理なく貯金を増やすために今からできることを、4つにわけて紹介します。

  • 貯金の目標を立てよう
  • 先取り貯金を実践しよう
  • 収支を把握して見直そう

それぞれ詳しく見ていきましょう。

●貯金の目標を立てよう

まずは、貯金の目標を立てることから始めてみましょう。いつまでにいくら貯めたいか、お金を貯める目的とあわせて考えるのが効果的です。

たとえば「5年後に車を買うために貯金300万円を達成する」「来年の6月に韓国旅行に行くために30万円貯める」など、できる限り具体的に設定するのがポイントです。

特に思いつかない場合は、前述の目安を参考に「もしもに備えて、3年以内に『生活費の6ヶ月分』を確保する」などとするのもよいでしょう。挫折しにくいよう、貯金がまったくない人は「まずは貯金10万円を目指す」「今月は5,000円を貯金に回す」など小さめの目標からスタートするのもおすすめです。

●先取り貯金を実践しよう

目標が決まったら、そこから毎月いくらずつ貯金していけばいいのか逆算し、先取り貯金を実践してみましょう。先取り貯金とは、給与が入金されたらすぐに貯金専用の別口座にお金を移して、貯金分を確保することを指します。

先取り貯金をすると、「お金が余ったら貯金に回す」から、「貯金分を先に確保して残った分で生活する」というスタイルに変わるため、安定的かつ計画的に貯金しやすくなります。なお、当然ですが貯金専用の口座には気軽に手を付けないようにしましょう。

勤務先の「財形貯蓄制度」や銀行の「定額自動入金サービス」などを利用すると、自分で毎回資金移動する手間が省けて便利です。しかも、入金忘れなども防げるため確実性もアップします。

●収支を把握して見直そう

上手に家計管理したいなら、以下の2点を意識してみましょう。

  • 自分が何にいくら使っているのかを知る
  • 支出が適切だったのかを定期的に振り返る

上記のどちらにも使えるツールが「家計簿」です。専用のノートやアプリなども多数ありますので、自分に合った方法で、まずは1ヵ月間(難しい場合は1週間)、収支の記録を付けてみましょう。

記録を付けると、「なぜかお金がない」状態から、「カフェ代が意外と高い」「服を買いすぎ」などお金がない原因がわかる状態になります。原因がわかれば対策できます。

継続して記録を付けられるようになったら、次は「食費は月〇円まで」などと予算を決めて、それを守るように行動してみましょう。「月1回、月末の19時」など頻度と日時を決めて、記録を振り返る時間を作るとより効果的です。

「なぜ予算オーバーしてしまったのか」「どうすれば改善できるか」「やってみた結果どうなったか」を考えることを繰り返すほど、やりくり上手に近づけるでしょう。

■まとめ

一人暮らしをしている20代女性に必要な貯金額は、一般的に「生活費の6ヶ月分」が目安とされています。手取り収入の10%~20%を、毎月継続して貯金に回せるよう工夫してみましょう。

20代のうちに貯金の習慣を身につけておくことは、今後の人生にも必ず役立ちます。まずは目標を設定して、先取り貯金や家計簿などできそうなことから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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