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2023/12/12

結婚前に必要な貯金はいくらか|結婚にかかる費用や安心できる金額を解説

執筆者:馬場愛梨(ファイナンシャル・プランナー)

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「いよいよ結婚」と考えたとき、うれしい一方でお金のことが心配になる人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、目安として、結婚前にいくら貯金しておけば安心なのかについて解説します。あわせて結婚にかかる費用の平均値や結婚に向けて2人でお金を貯めていく方法、結婚前の貯金が足りないときの対処法なども紹介します。

■結婚にかかる費用の目安

結婚にかかる費用は、どのくらいなのでしょうか。リクルートブライダル総研が行った「ゼクシィ結婚トレンド調査2023(首都圏)」によれば、それぞれの平均費用は以下のとおりです。

【結納&両家の顔合わせ】

  • 食事を含めた結納式の費用……25万6,000円
  • 食事を含めた両家の顔合わせの費用……6万9,000円

【婚約指輪&結婚指輪】

  • 婚約指輪にかかった金額……43万3,000円
  • 結婚指輪(2人分)の購入金額……30万8,000円

【結婚式】

  • 挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額……356万3,000円

【新婚旅行】

  • お土産代を除く2人分の旅行費用……53万4,000円
  • お土産代……5万4,000円
  • いずれも、実施した人のうち金額回答者のみの集計
  • 「結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用 総額」の算出時に用いた各項目の平均金額を掲載しているが、これは結納・会場費および両家の顔合わせ・会場費については実施した人の、その他の項目については費用の発生した人の平均金額であり、各項目の平均金額の合計は、「結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用 総額」とは一致しない
  • 集計項目名は執筆者にて一部追記

上記の調査では、「結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用総額(推計値)」は456万9,000円となっています。

  • 「結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用 総額」は、「項目別平均額」に掲載している平均値にそれぞれの実施・購入者の割合を乗じて調査対象全体における平均値を算出し、それらを合計して総額を推計して算出

しかし一方で親・親族の援助(平均200万円)、ご祝儀(総額:平均199万7,000円)という結果も出ており、場合によっては自己負担額が少なくて済む可能性もあります。仮にすべて平均的な水準だった場合、自己負担額は約57万2,000円です。

  • 自己負担額(約57万2,000円)=平均的な結婚費用456万9,000円-平均的な親・親族の援助額200万円-平均的なご祝儀総額199万7,000円

2人で約57万2,000円の貯金があれば、達成できそうと感じる人も多いのではないでしょうか。ただし結婚後に一緒に暮らし始める予定の人は、上記以外にも家具や家電の購入費、家の契約費用(賃貸の場合)などがかかることも想定しておきましょう。

■結婚前の貯金、いくらあれば安心?

結婚前の貯金は、どのくらいあれば安心なのでしょうか。前述のとおり、結納や婚約、結婚式、新婚旅行、新生活準備まで含めると結婚関連費用は500万円を超える可能性もあります。ただご祝儀などでまかなえる部分や、工夫次第で費用を抑えることも可能です。近年は、結納や婚約指輪を省いたり、結婚式自体をしなかったりする人もいるため、その場合はかなり費用を浮かせることができます。

結婚にかかる費用には、さまざまな種類がありますが、いずれも「必ず行わなくてはならない」というものではないため、人による差が大きくあります。結婚式や新婚旅行などをする予定で、これから新居を探して一緒に暮らし始めるつもりなら、100万~300万円程度の出費(自己負担)は準備しておくと安心でしょう。

結婚に向けて何を実行したいのか、どれくらい豪華にしたいのか、早い段階で夫婦の意見を合わせておくのがおすすめです。

●結婚前のカップルの貯金額は平均いくら?

なかには、「ほかのカップルは結婚前にいくら貯めているのか」と気になる人もいるのではないでしょうか。前述したゼクシィの調査では、結婚費用(結納、挙式、披露宴・ウエディングパーティー、二次会、新婚旅行)のための夫婦の貯金有無を尋ねたところ「貯金していた」と答えた人の貯金総額の平均は366万7,000円でした。

  • 貯金の有無は、貯金額がわからないと回答した人を除いて集計

■結婚に向けて2人で貯金を進める方法

前述のとおり、結婚にはそれなりのお金がかかることが多い傾向です。さらに結婚後も出産や子育て、住宅購入などお金のかかるイベントが次々と発生する可能性もあります。そのため結婚が決まったあとは、今後を見据えて2人で協力しながら貯金を進めていくのがおすすめです。2人で貯金する際の手順やポイントは、次のとおりです。

●お互いの経済状況や金銭感覚を共有しておく

まずは、お互いの現状を知ることから始めましょう。「いくら親しい仲でも年収や貯金額は聞きにくい」という人もいますが、結婚後の自分の生活に直結する重要なことです。だいたいの金額でもいいので、お互いに情報を共有しておきましょう。またどちらかが倹約家でどちらかが浪費家など、金銭感覚に大きなズレがあると将来的に不満をためることにもなりかねません。

そのため日ごろの雑談から以下のようなことを話し合っておくことも方法の一つです。

  • ここだけは譲れない、お金をかけたいポイント
  • 結婚したらお小遣い制がいいか、別財布がいいか
  • 結婚式をどれくらい豪華にしたいと思っているか など

●具体的な目標を決める

次に2人で貯金目標を決めましょう。「来年○月の結婚式までに新婚旅行費用として△万円を貯める」など「いつまでに(期限)、何のために(目的)、いくら貯めるのか(目標金額)」をできる限り具体的に決めておくのがおすすめです。

前述の調査結果を参考にして決めることも方法の一つといえます。さらに目的を達成するために自分たちの場合は実際いくらかかるのかを調べたり、期限と目標金額から逆算して毎月いくらずつ貯めれば間に合うのかを確認したりすると、具体性が増してより現実的な貯金計画になるでしょう。2人で今後の明るい未来について思いを馳せながら、楽しく目標設定してみてはいかがでしょうか。

●2人で貯金するための口座を用意する

貯金計画を立てられたら、次は行動に移しましょう。さまざまな方法がありますが、2人で貯金するための口座を用意することもおすすめです。2人がそれぞれに貯金に回す金額を決めて、新しく作った口座へ毎月入金していくようにすれば、お互いの入金額や貯まり具合を随時確認できます。

これにより「貯金に回すはずのお金をうっかり使ってしまった」「相手が貯めていると思っていたのにできていなかった」といった事態を防ぎやすくなるでしょう。また銀行の「定額自動入金サービス」を利用して、自動的にお金が移動するように設定しておくと便利です。給料が入った瞬間に貯金用の別口座に移すことを「先取り貯金」といいます。

先取り貯金は、貯金の王道的な方法です。「余ったら貯金に回す」ではなく、「あらかじめ貯金分を確保したうえで残った金額内で生活する」という順番に変えることで貯金がうまくいきやすくなります。結婚貯金用に作った口座は、結婚後、使い方を変えて「家賃の引き落としなど生活費を支払う口座」や「子どもの教育費を共同で貯める口座」として使うことも可能です。

余裕があれば、家賃や水道光熱費などをどちらがどれくらいの割合で負担するかなど、結婚後の家計管理の方法もあわせて決めておくのが理想的といえます。

■結婚前の貯金が足りない場合は

最後にもし「貯金がうまくできなかった」「費用が高くてどうしても足りない」といった場合はどうすればよいか、対処法を見ていきましょう。

●結婚にかかる費用を節約する

結婚式や新婚旅行は楽しいイベントですが、こだわればこだわるほど必要な費用がかさんでいきます。お金をかけるところはかけつつ、お金をかけずに節約するところも決めてメリハリをつけるようにしましょう。結婚にかかる費用を節約するには、例えば以下のような方法があります。

  • 結納や婚約指輪などを省く
  • 結婚式の日取りをオフシーズンや大安以外など金額を抑えやすい日に設定する
  • 結婚式は家族や数人の友人だけで小さく行う
  • 招待状やドレス、アクセサリーなどを手作りする/インターネットで安いものを探して購入する
  • 結婚式を行わず、フォトウェディングで済ませる
  • 新婚旅行先を海外ではなく国内にする
  • 新生活のスタートを春先(2~4月)以外にするなど

工夫できるポイントは、たくさんあります。ただ不満や後悔が残らないように2人でよく話し合って納得したうえで決めたいところです。

●親の援助の有無を確認する

前述の「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023(首都圏)別ウィンドウで開きます」によると結婚費用(結納、挙式、披露宴・ウエディングパーティー、二次会、新婚旅行)に対する親・親族からの援助が「あった」と答えた人は80.9%でした。今は2人だけでお金を捻出することを考えている人も、もしかすると親から資金援助の話が出てくるかもしれません。

親によっては、子どもの結婚資金を出すのを楽しみにしてコツコツと貯金してきている人もいます。双方の親に結婚の話をするなかで、さりげなく援助の有無を確認しておきましょう。

●ご祝儀や祝い金でまかなえるかも

結婚式の費用は、数百万円単位になることもあり、全額を自分たちで用意しようとするとハードルが高いと感じるかもしれません。しかし場合によっては、参加者からのご祝儀で大部分をまかなえるケースもあります。もちろん、ご祝儀だけをあてにしすぎるのはよくありませんが、全額を貯金で用意できなくても結婚式を行うことは可能です。

また勤務先の企業や住んでいる自治体などによっては、結婚の際に祝金や補助金を給付する制度を設けている場合があります。勤務先の上司や担当部署、市区町村役場・役所の窓口などで尋ねれば教えてもらえるはずです。もらいそびれることがないように、よく確認してみましょう。

■まとめ

結婚にかかる費用は、結納・婚約、結婚式、新婚旅行までを含めて平均456万9,000円となっています。ご祝儀などでまかなえる可能性もありますが、2人で100万~300万円程度は出せるように貯金しておくと安心です。もちろん貯金が多いに越したことはありません。

2人でお金について話し合ったり、共同で貯金するための口座を作ったり、一緒に節約生活を楽しんだりしながら、結婚に向けた資金準備を行っていくのがおすすめです。無理のない範囲でコツコツと貯めていきましょう。

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