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特集 | 住宅ローン

2023/3/16(2024/3/21更新)

住宅ローンの団体信用生命保険の疾病保障とは?メリットや注意点を詳しく解説

監修者:竹下 昌成

住宅ローンを組む際に加入を求められる「団体信用生命保険(団信)」には、一般的なタイプ以外に、さまざまな疾病保障が付いているタイプ(「がん団信」「11疾病団信」など)も存在しますが「そもそも、疾病保障を付ける必要はあるのか」「各疾病保障には、どのようなメリットや注意点があるのか」と疑問を持っている方もいるかもしれません。

本記事では、住宅ローンの借入れを検討している方に向けて、団体信用生命保険の疾病保障を詳しく解説します。

住宅ローンの「団体信用生命保険(団信)」の役割

住宅ローンの「団体信用生命保険(団信)」とは、住宅ローンの契約者に万が一のこと(「死亡する」「高度障害状態になる」など)が発生した場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を金融機関に対して支払うことで、お客さまに代わり、住宅ローンを返済するものです。

下表に、一般的な生命保険と団体信用生命保険の違いをまとめました。

一般的な生命保険 団体信用生命保険
年齢・性別による保険料の違い あり なし
保険金の受取人 配偶者や子どもなど 金融機関
※特約によってご自身が受取る保険金もあります。
保障期間 あらかじめ設定した期間(「定期」「終身」など) 融資の実行から完済まで
生命保険料控除 適用(本人や親族を保険金の受取人に指定した場合) 適用なし

団体信用生命保険の保険料は、住宅ローンの金利に上乗せされる形で、契約者が負担する場合があります。

一般的な生命保険では、年齢や性別によって保険料が異なり、保険金の受取人は配偶者や子供になります。それに対し団信は年齢や性別による金利の上乗せはなく、受取人は住宅ローンの融資をする金融機関となります。団体信用生命保険では住宅ローンの融資をする金融機関が受取人になると覚えておきましょう。なお、入院保障など一部の特約では本人が受取人になるものもあります。

団体信用生命保険には、住宅ローンの契約者側にとって、契約者に万が一の事態が生じても、家族などに残債を負担させず、住宅に住み続けることを可能にする役割があります。

他方、融資を実行する金融機関側にとっても貸し倒れリスクを軽減できる役割があるため、民間金融機関では住宅ローンを組む際に団体信用生命保険への加入が求められると理解しておきましょう。

住宅ローンの団体信用生命保険には「疾病保障」を付けるべき?

住宅ローンの団体信用生命保険に付けることが可能な「疾病保障」がどういったものかを説明したうえで、メリットや注意点を紹介します。

疾病保障付きの団体信用生命保険とは

疾病保障付きの団体信用生命保険とは、「死亡する」「高度障害状態になる」場合だけではなく、さまざまな病気(「がん」など)になった場合にも保険金が支払われる団体信用生命保険です。

なお、どういった疾病保障付きの団体信用生命保険が提供されているのかは、金融機関によって異なります。

例えば、auじぶん銀行では、「がん50%保障団信」や「がん100%保障団信」、「がん100%保障団信プレミアム」などを用意しています。

疾病保障を付けるメリットと注意点

疾病保障を付けるメリットは、「死亡した」「高度障害状態になった」場合に加えて、所定の病気を患った場合にも住宅ローンの残債が完済される(あるいは、住宅ローン残高が半分になる)ことです。なお、疾病保障のタイプによって、カバーされる病気が異なります。

「がん」や「脳梗塞」「脳出血」「心疾患」などになると、多額の医療費が発生し、治療やリハビリに長い期間を要するかもしれません。毎月の返済が困難になるケースもあるので、さまざまな病気をカバーしてくれる疾病保障を付けるほうがよいでしょう。

また、金融機関によっては、疾病保障付の団信向けに、以下のサービスが付保されている場合があります。

  • セカンドオピニオンサービス
  • 24時間電話健康相談サービス

セカンドオピニオンとは、「納得できる治療法を選択するために、現在の治療の進行状況や、次の段階の治療方針などに関して、主治医以外の医師に第2の意見を求めること」です。

ヘルスカウンセラーによる相談や手配を経て、総合相談医による意見をもらったり、優秀な専門臨床医を紹介してもらったりすることが可能なので、「セカンドオピニオンサービス」を活用してください。

また、経験豊富な医師や看護師などが、24時間、年中無休体制で電話による健康相談に応じる「24時間電話健康相談サービス」も魅力です。

一方、注意点としては、疾病保障付きの団体信用生命保険に加入する場合に金利が上乗せされる場合がある点が挙げられます。上乗せされる金利の幅は、金融機関や疾病保障のタイプによって異なるため、きちんと確認しましょう。

住宅ローンの代表的な疾病保障の特徴

では、住宅ローンの代表的な疾病保障である「がん団信」および「11疾病団信」の特徴を説明します。

がん団信の特徴

がん団信とは、一般団信と同様に「死亡した場合」「高度障害状態になった場合」「余命6ヶ月以内と診断された場合」に残債が完済されることに加えて、「がん(所定の悪性新生物)と診断された場合」にも保険金が支払われる団体信用生命保険です。

11疾病団信の特徴

11疾病団信とは、「死亡した場合」「高度障害状態になった場合」「余命6ヶ月以内と診断された場合」に加えて、「がんと診断された場合」や「10種類の生活習慣病(糖尿病、腎疾患など)の診断を受けて、継続して180日以上入院した場合」にも、住宅ローンが完済される団体信用生命保険です。なお、金融機関によって保障内容が異なるため、詳細は各金融機関のウェブサイトで確認してください。
また、金融機関によっては11疾病団信の取扱いがなく、かわりに保障の種類や幅が異なる団体信用生命保険(「3大疾病団信」「8大疾病団信」など)が提供されている場合があります。

がん団信のメリットと注意点

がん団信の特徴を理解したところで、メリットと注意点を紹介します。

がん団信のメリット

メリットとしては、「がん」と診断された際に保障を受けられることに加え、以下に示す「全疾病保障」や「月次返済保障」も付いているケースが多いことが挙げられます。

  • 全疾病保障:すべての病気、けが(精神障害を除く)で、180日以上の継続入院となった場合、住宅ローンが完済
  • 月次返済保障:すべての病気、けが(精神障害を除く)で、31日以上連続で入院した場合に(また、連続入院期間が61日、91日、121日、151日になったタイミングで)、毎月の返済額に相当する金額(ボーナス返済額を含む)が保障
  • 保障内容は金融機関により異なります。各金融機関のウェブサイトにてご確認下さい。

一般的な生命保険商品の「がん保険」よりも、がん団信のほうが、支払われる保険金額が高くなるケースが多いことも覚えておきましょう。

がん団信に加入しておけば、数千万円以上の住宅ローン残高があっても、「がん」と診断された時点でゼロ(または半額)になります。

しかし、一般的な生命保険商品の「がん保険」では、数千万円もの高額な保険金が支払われることは稀です。

がん団信の注意点

注意点としては、「一部のがんに関しては、保険金の支払対象とならないこと」や「がん保障特約においては責任開始当日を含めて90日間の免責期間が定められていること」が挙げられます。

以下は、auじぶん銀行が取り扱っている「がん50%保障団信」「がん100%保障団信」で、保障対象外となっているがんの例です。

  • 上皮内がん(子宮頸がん0期、大腸粘膜内がん、非浸潤がん、食道上皮内がんなど)
  • 皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん

さらに、上述したように、がん団信に加入すると住宅ローンの金利が上乗せされる場合があることにもご注意ください。

保障内容と負担のバランスを勘案して、ご自身に適したプランを選択しましょう。

11疾病団信のメリットと注意点

続いて、11疫病団信のメリットと注意点も紹介します。

11疫病団信のメリット

11疾病団信のメリットは、多種多様な病気に対応していることです。厚生労働省によると日本人の死亡原因としては「がん」「心疾患」「脳疾患」などが上位を占めていますが、病気になった場合、治療期間が長くなり、金銭的に苦しい状況に陥る可能性もあります。

11疾病団信に加入しておけば、対象となる病気の診断を受けて180日以上入院した場合に保険金が支払われます。

病気になったら治療のことを第一に考えたい方は、11疾病団信に加入してはいかがでしょうか。

参考:厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

11疫病団信の注意点

注意点としては、がん団信と同様に、特約によっては90日間の免責期間が定められていることが挙げられます。

また、金利の上乗せが生じるため、月々の返済額が大きくなることにもご注意ください。

住宅ローンを契約してから完済するまで病気にならなかった場合、上乗せされた金利分に関しては生命保険料控除が適用されず、完全に「掛け捨て」となってしまいますが、「万が一の際に保障を受けられる」安心感を得られるので、なるべく手厚い保障内容の団信に加入しておくことをおすすめします。

疾病保障のメリットと注意点を把握し、最適な住宅ローンを組もう

団体信用生命保険には、一般的な「死亡した場合や高度障害状態になった場合だけをカバーするタイプ」以外に、「疾病保障付きのタイプ」(「がん団信」「11疾病団信」など)も存在します。

疾病保障付きの団体信用生命保険に加入しておけば、対象となる病気になった場合も保険金が支払われるため安心です。

しかし、住宅ローンの金利が上乗せされるケースがあるのでご注意ください。月々の返済額や返済総額がどのくらい増えるのかを、あらかじめシミュレーション機能などを用いて試算しましょう。

疾病保障付きの団体信用生命保険に加入する際は、メリットだけではなく、注意点も正確に把握しておくことが大切です。

団信は住宅ローン完済に伴って消滅します。完済年齢や健康状態も考慮して選択しましょう。特に繰上返済は慎重に検討してください。

不明点がある場合は金融機関や引受保険会社の相談窓口、ファイナンシャルプランナーに相談したうえで、ご自身に適した団信プランを選択し、住宅ローンの契約を行いましょう。

監修者:竹下 昌成
顔写真:監修者:竹下 昌成

プロフィール:
竹下FP事務所代表、TAC講師、㈱メディエス代表取締役。兵庫県西宮市在住、昭和46年生まれ、立教大学卒業後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。タマホームFPとして600件超のFP相談実績。30歳でサラリーマン投資家として大家業をスタート、38歳で本格化、45歳でFIRE。現在は大家業をメインに講師や執筆監修活動、相談業務。

資格情報:CFP®、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか

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auじぶん銀行では、がん50%保障団信(金利上乗せ無し)、がん100%保障団信(金利年0.05%上乗せ)、がん100%保障団信プレミアム(金利年0.15%上乗せ)などを取り扱っています。それぞれの保障内容や上乗せ金利幅に違いがあるので、ぜひ保障と負担のバランスを考慮して、検討してみてください!

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