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特集 | 住宅ローン

2023/3/16

中古住宅の購入でもローンは組める!審査のポイントや注意点を紹介

監修者:竹下 昌成

マイホームの購入する際、一般的に新築住宅よりも費用が抑えられる中古住宅を検討される方も多いでしょう。中古住宅を購入する際も、もちろん住宅ローンを組むことは可能です。しかし、新築住宅とは異なるポイントがチェックされる場合があります。

本記事では、住宅ローンを利用して中古住宅を購入する際に知っておきたいポイントを紹介します。審査に通らないときの対処策も紹介するので、参考にしてください。

中古住宅でも住宅ローンは組めるのか

中古住宅を購入する際でも、住宅ローンの利用は可能です。

しかし、新築住宅と比べると、中古住宅は金融機関の評価が相対的に低く、借入額が少なくなる場合があります。

住宅ローンは住宅を担保としてお金を貸すローン商品のため、ローン契約者が返済できなくなったときに住宅を競売にかけ、ローン残債や利息などの未払いの金額を回収します。中古住宅は新築住宅よりも物件価格が低くなりやすく、回収できる金額も少なくなるケースが多い傾向です。

金融機関ではあらかじめ住宅の不動産としての評価価格も踏まえ融資可能額を決めるため、特に中古住宅購入の場合は借入可能額が少なくなる場合があります。

中古住宅で住宅ローンを組む注意点

中古住宅で住宅ローンを利用するにあたり、いくつかの注意点もあります。

  • 住宅ローンの申込基準を満たさない場合がある
  • 必要な金額を借りられない場合がある
  • 返済期間を短く設定される場合がある
  • 住宅ローン控除を受けられない場合がある
  • 住宅ローン控除額が少なくなる傾向にある

中古住宅が住宅ローンの申込基準を満たさない場合がある

金融機関の住宅ローンには一定の申込基準がありますが、なかには購入対象の不動産に関して、「建築基準法などの法令に合致している物件であること」と定められている場合があります。

中古住宅のなかには、建築基準法などの法令を満たさない物件もあるのでご注意ください。例えば、現行の耐震基準は1981年6月1日に改正、施行された建築基準法で定められているため、1981年5月31日までに建築確認を行った建物に関しては現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。

必要な金額を借りられない場合がある

新築住宅であれば、販売されている価格と不動産としての価値はほぼ同じと考えられます。

例えば、土地代込み5,000万円で販売されている新築戸建て住宅であれば、購入後、直ちに売却するときは5,000万円から若干低い価格で取引が行われると考えられるでしょう。

しかし、中古住宅は販売されている価格と不動産としての価値が異なる場合があります。

実際に、中古戸建て住宅の建物の価値は築後約10年で半分になるといわれているため、販売されている価格よりも不動産としての価値が低い傾向にあります。

返済期間を短く設定される場合がある

建物には法定耐用年数が定められています。例えば、木造や合成樹脂造の住宅であれば22年、木骨モルタル造であれば20年が法定耐用年数です。

また、法定耐用年数を過ぎたり、土地に価値がなかったりする場合は物件全体の価値もほとんどなくなる可能性があるため、新築なら耐用年数にかかわらず返済期間35年固定の住宅ローンが組めても、中古だと返済期間が耐用年数までに制限する金融機関も多いです。

住宅ローンの返済期間が短いと、毎月の返済額が増加します。また、年収における年間返済額の割合である返済負担率が高くなり、住宅ローンを利用できなくなったり、借入れられる金額が少なくなったりする場合もあるのでご注意ください。

住宅ローン控除を受けられない場合がある

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで住宅を購入するときに適用される控除制度です。

以下の条件をすべて満たしているときは、住宅ローン控除が適用され、年末の住宅ローン残高の0.7%に相当する金額の所得税が還付されます。また、所得税で全額還付できないときは、翌年の住民税からも還付される場合があります(令和5年3月時点)。

  • 住宅ローン利用者自身が居住する住宅であること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 返済期間が10年以上であること
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 引渡しから6ヶ月以内に入居すること
  • 1982年以降に建築した物件であること、もしくは現行の耐震基準に適合すること

しかし中古住宅は新築住宅と比べ、住宅ローン控除の適用が難しい傾向にあります。

例えば、2023年末までに建築確認を受けた新築住宅であれば、合計所得金額が1,000万円以下の場合に限り、床面積は40㎡以上でも住宅ローン控除の対象となります。

中古住宅の場合は、合計所得金額が1,000万円以下であっても床面積は50㎡以上でないと住宅ローン控除の対象になりません。なお、面積は登記簿謄本の面積(内法)が基準となります。

また、住宅ローン控除の適用を受けるためには、住宅ローンの返済期間が10年以上であることが必要ですが、中古住宅は築年数などもふまえて返済期間を短く設定されるケースがあるため、返済期間が10年未満となり、住宅ローン控除の適用を受けられない可能性もあります。

さらに築年数の制限が2022年の改正で緩和されていますが、1982年以降などの新耐震基準適合住宅であることが必要です。

すべての基準を満たしているか確認したうえで、住宅ローン控除の申請手続きを行いましょう。

住宅ローン控除額が少なくなる傾向にある

住宅ローン控除の適用を受けられる場合でも、中古住宅は新築住宅と比べて控除額が少なくなる傾向がある点にもご注意ください。

例えば、新築住宅では最長13年の控除が受けられますが、中古住宅では最長10年です。控除額は住宅ローンの借入額などによって上限が決まっているため、控除期間が減ると控除額も減る傾向にあります。

また、新築の長期優良住宅や低炭素住宅の場合、控除対象となるローン借入額は最大5,000万円(2022年か2023年に入居した場合。2024年か2025年に入居した場合は最大4,500万円)です。

しかし、中古の長期優良住宅や低炭素住宅は、控除対象となるローン借入額は3,000万円です。控除対象の上限額が減ると、控除額も減る可能性があります。

中古住宅の住宅ローンの審査とは

住宅ローンを利用できるかどうかは、ローン審査にかかっています。中古住宅の住宅ローン審査の流れや提出書類、審査で確認されるポイントを紹介します。

住宅ローンの大まかな審査の流れ

住宅ローンを組んで中古住宅を購入する流れは以下の通りです。

1.住宅ローンの仮審査に申込む
2.仮審査に通過した場合、住宅ローンの本審査に申込む
3.本審査に通過した場合、住宅ローンの契約をする
4.実行(借入れ)
5.住宅の引渡し、入居

住宅ローンでは多額の費用を借りるだけでなく、返済期間が長期にわたります。より慎重な判断のためにも、審査は、仮審査(事前審査)と本審査の2回実施が一般的です。

金融機関にもよりますが、仮審査の結果は数日でわかります。仮審査に通過すると本審査を行います。

本審査では仮審査よりも多くの書類を提出し、審査期間も長くなる傾向にあります。金融機関や状況により異なりますが、本審査の申込みから結果がわかるまでに7~10日ほどかかる場合があります。

住宅ローンの審査に必要な書類

住宅ローンの審査に必要な書類は、以下の通りです。

  • 本人確認書類
  • 収入関連書類
  • 物件関連書類

本人確認書類としては、住民票や運転免許証、健康保険証などの提出を求められます。金融機関によって異なるので、事前に担当者に確認して正確な書類を提出しましょう。

収入関連書類としては、源泉徴収票や課税証明書、住民税決定通知書などの提出が必要です。確定申告をしている場合は、確定申告書や納税証明書などの提出も求められるので準備しておきましょう。

物件関連書類としては、売買契約書や重要事項説明書、建築確認済証などが必要です。新築か中古か、戸建てかマンションかによっても提出書類が異なるので確認しておきましょう。仮審査の段階では物件のチラシや不動産謄本など手元にある資料でかまいません。

上述した書類以外にも、勤続年数や借入れ希望額などの個々の状況によっては、給与明細書や健康診断結果通知書などの提出が求められる場合があります。

正しい書類を提出しないと審査が進まず、借入れまでに時間がかかってしまうため、入念に確認して書類を集めましょう。

住宅ローンの審査で見られるポイント

国土交通省の調査によると、住宅ローンの審査では、9割以上の金融機関で以下のポイントをチェックしています。

  • 完済時の年齢
  • 健康状態
  • 担保評価
  • 借入時の年齢
  • 年収
  • 勤続年数
  • 連帯保証

完済時の年齢が定年退職後となると、現役時代と比べて収入が低くなり、毎月の返済が厳しくなるおそれがあります。無理のない範囲で毎月の返済額を調整し、完済時の年齢が高くならないように検討しましょう。

年収が少なく、希望する金額の借入れが難しそうなときは、連帯保証人をつけることも検討できるかもしれません。また、夫婦や親子の収入を合算し、連帯債務として住宅ローンの契約をする方法もありますので、併せて確認するようにしましょう。

中古住宅の住宅ローンで審査が通らない原因

住宅ローン審査に通らないときは、以下の理由が考えられます。

  • 築年数が古すぎる
  • 返済負担率が高い
  • 滞納や債務整理の記録がある

築年数が古すぎる

1981年5月31日までに建築確認を行っている物件や現行の建築基準法に適合しない物件は、住宅ローン審査に通らないことがあります。

また、建物が法定耐用年数を過ぎ、なおかつ土地にあまり価値がない場合も、住宅ローン審査の通過が難しい傾向にあります。築年数が古すぎるときは、住宅ローンの利用は厳しいと考えておきましょう。

また、建築確認がない物件も注意が必要です。建蔽率や容積率オーバーなどの違法建築の可能性があり、最近では住宅ローンの取り扱いができないケースがほとんどです。現段階では取扱ができたとしても将来、売却したい時に住宅ローンを利用した購入者が望めなくなる可能性があります。

返済負担率が高い

返済負担率が高いときも、住宅ローンの利用が難しくなる場合があります。

返済負担率の目安は一般的には25~35%ですが、年収に応じて返済負担率の目安は変わるのでご注意ください。例えば、年収が300万円以下の場合であれば、返済負担率は20%以下程度が望ましいと考えられます。

また、すでに他のローンを利用している場合は、他のローンの年間返済額も返済負担率を計算するときに合算する必要があります。すでにマイカーローンを利用して年に50万円を返済しているときは、住宅ローンで借りられる金額が減り、希望する物件を購入できない可能性も想定されるでしょう。

滞納や債務整理の記録がある

住宅ローンの審査では、過去一定期間のローンの返済履歴やクレジットカードの支払い履歴、自己破産や個人再生などの債務整理の記録が確認されます。滞納や債務整理の過去がある場合は、住宅ローンの審査に影響がある可能性があります。

中古住宅の住宅ローンが通らなかった場合の対処方法

中古住宅の住宅ローンに通らなかったときは、以下の方法を検討してみましょう。

  • 頭金を用意する
  • 他のローンを完済する
  • 複数の金融機関の住宅ローンを検討する
  • より条件のよい中古住宅を検討する

頭金を用意する

頭金を用意すると、住宅ローンの借入れ希望額を減らすことができます。借入れ希望額が減ると返済負担率も減り、金融機関のローン審査基準も満たしやすくなります。

また、借入額が減ると毎月の返済額や返済期間も抑えやすく、無理のない返済を実現しやすいでしょう。

他のローンを完済する

現在、ローンを利用している状況なら、完済してから住宅ローンに申込むことも検討してみましょう。審査によっては、希望する金額を借りやすくなる可能性があります。

別のローンの返済中でも住宅ローン審査に通過する可能性はありますが、多重債務を抱えることになり、返済額や返済日の管理が複雑になってしまいます。

シンプルにローンを管理するためにも、できれば他のローンを完済してから住宅ローンの審査に申込むようにしましょう。

完済情報が個人信用情報に反映されるまで時間がかかることもあるので、完済した場合は完済証明書なども受領しておきましょう

複数の金融機関の住宅ローンを検討する

住宅ローン審査の基準は、金融機関によって異なります。

ある金融機関の審査に通らなかったとしても、別の金融機関であれば審査に通過する可能性はあります。

いくつかの金融機関の住宅ローンの仮審査(事前審査)に申込み、ご自身の条件に合った住宅ローンを探してみることをおすすめします。

より条件のよい中古住宅を検討する

物件に問題がある場合は、住宅ローンの審査通過は厳しくなります。築年数が古すぎない物件、立地がよく土地の価値が高い物件などにも注目して、中古住宅を選択し直してみるのもよいでしょう。

また、物件ではなく希望借入額が高すぎることが原因で住宅ローン審査の通過が難しくなっているときは、より安価な物件への変更も検討できます。

しかし、価格にこだわるあまり、担保価値が低い物件を選択するのではかえって審査通過が難しくなる可能性があります。価格だけでなく担保価値にも注目して、物件を選択し直しましょう。

金融機関と提携している不動産業者で物件を探すのも一案です。この場合は相場と価格を比較するなどご自身で慎重に評価しましょう。

注意点をよく理解して、中古住宅で住宅ローンを組もう

住宅ローンを利用した中古物件の購入は可能ですが、築年数や耐震基準などの問題から、新築住宅よりは住宅ローンの利用が難しくなるケースもあります。

また、住宅ローンの審査に通った場合も、借入額や返済期間が希望よりも減ったり、住宅ローン控除を利用できなかったりする可能性があるのでご注意ください。住宅ローンを利用するときは、事前に注意点を十分に理解しておくようにしましょう。

監修者:竹下 昌成
顔写真:監修者:竹下 昌成

プロフィール:
竹下FP事務所代表、TAC講師、㈱メディエス代表取締役。兵庫県西宮市在住、昭和46年生まれ、立教大学卒業後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。タマホームFPとして600件超のFP相談実績。30歳でサラリーマン投資家として大家業をスタート、38歳で本格化、45歳でFIRE。現在は大家業をメインに講師や執筆監修活動、相談業務。

資格情報:CFP®、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか

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