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特集 | 資産運用

2022/8/30

外貨預金をおすすめする理由とは? 預金する国や銀行の選び方もご紹介

監修者:竹下 昌成(ファイナンシャルプランナー)

銀行に預金している方のほとんどは円で預金していると思いますが、実は外国の通貨でも預金(=外貨預金)できることをご存じでしょうか。外貨預金は円安時には資産を増やすこともできるほか、資産をいくつかの通貨に分けて保有することで、為替レートの変動リスクに備えた資産運用が可能になります。

なぜ外貨預金がおすすめなのか、また、外貨預金をする際に注目したい国、銀行の選び方についても紹介します。資産を分散させることは資産運用の基本です。ぜひ資産運用の一つとしての外貨預金について考えてみてください。

外貨預金とは?

外貨預金とは、円を外国の通貨(=外貨)に交換し、外貨建てで預金をすることです。円で預金をするときと同じく、定期預金と普通預金を利用できます。

円のみを保有している方が外貨預金をするときは、以下の流れで資金が動きます。

1.円を外貨に交換する
2.外貨で預金をする
3.外貨で利息を得る
4.外貨を円に交換する

円を外貨に交換するときと外貨を円に交換するときには、為替手数料(通貨交換手数料)がかかります。また、銀行によっては、預金をするときや解約するとき、円として引き出すときにそれぞれ手数料がかかることもあります。そのため、金利が低くあまり利息がつかないときは、手元に戻ってくる円が最初に預けた円よりも少ない可能性があります。

また、為替レートの変化によっても受け取れる円に大きな差が生じる点に注意が必要です。外貨預金を開始したときよりも円として引き出すときのほうが円安の場合、適用される金利にかかわらず、受け取れる円は増えやすくなります。

反対に、外貨預金を開始したときに比べて円として引き出すときのほうが円高の場合、外貨預金で適用される金利が高くても、手元に戻ってくる円が最初に預けた円よりも少なくなることがあります。

外貨預金をするときは、適用される金利に注目するだけでなく、円から外貨に交換するタイミングや外貨から円に交換するタイミングに注意を払うようにしましょう。

日本と海外の金利はどのくらい違う?

外貨預金が注目される理由として、その金利の高さが挙げられます。日本では長らく超低金利時代が続いているため、預金の金利も低く大きく増やすのは難しいでしょう。

定期預金(1年) 普通預金

外貨預金(米ドル)

年1~4%ほど

年0.01~0.1%ほど

円預金

年0.002%ほど

年0.001%ほど

例えば円預金の場合、100万円を預けても定期預金では年に20円ほど、普通預金では年に10円ほどの利息しか得られません。また、利息には約20%の税金が課せられるため、実際に受け取れるのは定期預金で16円ほど、普通預金で8円ほどさらに減ります。

一方、外貨預金は適用金利が高いことが多く、通貨や銀行にもよりますが定期預金では年1~4%もの金利が適用されることがあります。為替手数料を加味しても、100万円を預ける場合であれば税引き前で1万~4万円、普通預金でも100~1,000円程度となり、円預金よりも多くの利息を得られます。

税金面は円貨同様に利息には約20%の税金がかかります。また、為替差益が大きければ雑所得として確定申告が必要なケースもある点に注意しましょう。

外貨預金をおすすめする理由

外貨預金には為替手数料や解約手数料などのさまざまな手数料がかかるため、円を外貨に、外貨を円にするタイミングによっては手元に残る金額が減ることもあります。しかしメリットも多いため、資産運用の一つとして考えることができるでしょう。

外貨預金をおすすめする理由としては、次の点が挙げられます。

  • 円安時に備えることができる
  • リスクを分散できる
  • 無駄遣いを防げる

それぞれの理由について見ていきましょう。

円安時に備えることができる

円安のときには、外貨を持っていることで資産が増えることがあります。円安とは、円の価値が他の通貨と比べて相対的に低いことをいいます。

例えば、100万円を年1%の金利の外貨預金に預けたとしましょう。為替レートが1ドル=100円のときであれば、1万ドルの外貨を保有することになります。

円安が進み、1年後に円として引き出すときの為替レートが1ドル=150円だった場合、手元に受け取れる円は手数料を考慮せずに計算すると1万ドル×1.01%×150円=151万5,000円です。

このように外貨預金をすることで金利だけでなく為替レートも活かすことができ、円安時には資産を増やせるようになります。

ただし、円高が進むことで、外貨で保有する資産が減ることもある点に注意が必要です。例えば、為替レートが1ドル=100円のときに100万円を年1%の金利の外貨預金に預け、円高が進んで為替レートが1ドル=80円になったときに円として引き出したとしましょう。

手数料を考慮せずに計算すれば、手元に受け取れる円は1万ドル×1.01×80円=80万8,000円です。このように利息はついても受け取れる円は減ってしまうことがあります。

複数の通貨で外貨預金をすれば、よりさまざまなケースに備えられます。例えば円の価値がユーロやポンド、オーストラリアドルに対して下がったときなどにも資産増のチャンスを得られるでしょう。

リスクを分散できる

日本では緩やかにインフレが進み、さまざまなモノやサービスの価格が少しずつ値上がりしています。そのため、1万円で購入できたものが10年後も1万円で購入できるとは限りません。

円だけで資産を保有している場合、インフレが進むと資産価値が大きく減少することがあります。老後のためにと思い1,000万円を貯めておいた場合でも、実際に使うときには現在の1,000万円の価値がない可能性があるでしょう。

ただし、インフレが止まる、金利上昇によってリスクが低減されるといった状況になった場合にはこの限りではありません。

インフレによる貨幣価値の減少リスクに備えるためにも、資産のうちいくらかは外貨で保有することができます。大切な資産を守るためにも、円以外の資産を形成しましょう。

例えばアメリカは日本よりもインフレがすすんでいます。一般的にインフレがすすむと経済は成長局面です。成長している国の通貨ドルが高くなり、円が安くなります。すると外貨預金でリスク回避ができます。

無駄遣いを防げる

外貨定期預金は、原則として途中解約不可です。また、外貨普通預金も円に交換する手続きなどがかかり、直ちに引き出すことはできません。

簡単には引き出せない方法で資産を保有することで、無駄遣いをある程度防ぐことができます。特に手元にお金があると衝動的に遣ってしまいそうだと感じる方は、外貨預金を検討するのも一手でしょう。

外貨預金におすすめの国(通貨)は?

外貨預金は選択肢が多く、どの国の通貨にしようか迷う方も多いのではないでしょうか。おすすめの通貨を紹介するので、迷ったときにチェックしてみてください。

ただし、どの通貨を選んでも為替レートが変動するリスクを回避することはできません。外貨預金を始めて直ちに円高が進み、資産が目減りする可能性もあります。家計や将来設計に影響を与えない程度の資産を遣い、必ずご自身の判断で外貨預金を始めましょう。

アメリカドル(USD)

アメリカドル(USD)は世界でもっとも取引流通量(以下流通量)が多く、換金性に優れる通貨です。外貨預金を扱うほとんどの銀行でアメリカドルの外貨預金にも対応しているため、選択できる銀行が多い点も特徴です。

アメリカドルは貨幣価値が安定している分、適用金利は外貨預金のなかでは低めです。とはいえ、日本の預金金利よりは高めかつ円安に備えられるので、外貨預金初心者の方にも扱いやすいといえます。

オーストラリアドル(AUD)

オーストラリアドル(AUD)は、アメリカドルよりも高めの金利に設定されていることもあります。流通量は少なめですが、政治や経済が安定していることからリスクが比較的少ない外貨として注目されています。

なお、オーストラリアの輸出割合は中国がトップのため、中国経済の影響を受けやすいという特徴があります。また、オーストラリアの輸出は鉄鉱石や石炭などの資源が大半を占めているので、コモディティ市場の影響も強く受けます。オーストラリアドルの外貨預金をするときは、これらの関連国、市場にも注目するようにしましょう。

南アフリカランド(ZAR)

南アフリカランド(ZAR)は為替レートの変動は大きいものの金利が高く、短期間で利益を得やすい通貨です。円安ならさらに利益を得やすいといえます。

しかし、新興国通貨は急激な通貨安が起こる可能性もあり、リスクが大きいとも言えます。預けっぱなしにするのではなく、こまめに為替レートをチェックし、適切なタイミングで売却することも検討しましょう。

金融機関によっては預金開始の一定期間のみ、特別な金利が適用されるサービスを実施していることがあります。上手に活用すれば効率良く資産を増やせますが、円高が進む場合は損失につながる可能性があります。円に交換するタイミングを見計らい、為替レートの変動による損失を回避するようにしましょう。

外貨預金には為替リスクとともに“カントリーリスク=国の情勢が安定しているか?”も存在します。金融機関が準備をしている通貨の国は安定しているのが一般的ですが格付け機関などで国の情勢を確認するクセをつけておきましょう。

外貨預金におすすめの銀行の選び方

同じ金額を同じ通貨の外貨預金に預けても、預け先によって手元に戻ってくる円が大きく変わることがあります。次のポイントに注目して、銀行を選択しましょう。

  • 通貨交換の手数料が低いこと
  • 運用したい外貨を扱っていること
  • 適用金利が高いこと

それぞれのポイントになぜ注目すべきか、わかりやすく解説します。

通貨交換の手数料が低いこと

外貨預金を利用する際、円から外貨、外貨から円に交換するときには手数料が発生することが一般的です。手数料が高いと通貨を交換するたびに多額を失うことになり、預金金利による利益が目減りしてしまいます。

通貨交換の手数料は銀行によって異なります。複数の銀行を比較して、手数料が低いかどうか見極めてから預金しましょう。

運用したい外貨を扱っていること

銀行によって、扱っている外貨や定期預金の期間も異なります。すでに運用したい外貨を決めていても、口座開設した銀行で扱っていなければ意味がありません。

運用したい外貨があるか、運用したい期間に合うか事前にチェックしてから口座を開設しましょう。

適用金利が高いこと

預金の金利も、銀行によって異なります。先述の通り、外貨預金(米ドル)の金利は定期預金(1年)で年1~4%ほど、普通預金年0.01~0.1%ほどです。

適用金利が高いところに預けることで、より効率良く資産を運用できるでしょう。

また、外貨預金は預金保険制度の対象外の商品になります。金融機関の健全性も考慮しながら、外貨預金を行う先を検討しましょう。

資産運用の一つに外貨預金も加えよう

円安時に備える方法として、外貨預金はおすすめです。しかし、円高になったときには資産を減らすことにもなりかねません。

常に為替レートは変動するため、円安だけでなく円高にも備えておく必要があります。長期で積立投資をすることでリスクとリターンを平準化することも一つの方法です。また、すべての資産を外貨預金で運用するのではなく、資産運用の一つとして外貨預金も取り入れることで、より安全に資産を守っていきましょう。

監修者:竹下 昌成
顔写真:監修者:竹下 昌成

プロフィール:
竹下FP事務所代表、TAC講師、㈱メディエス代表取締役。兵庫県西宮市在住、昭和46年生まれ、立教大学卒業後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。タマホームFPとして600件超のFP相談実績。30歳でサラリーマン投資家として大家業をスタート、38歳で本格化、45歳でFIRE。現在は大家業をメインに講師や執筆監修活動、相談業務。

資格情報:
CFP®、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか

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