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国が違うとこんなに変わる!?世界の驚きの物価事情

執筆者:伊藤亮太(ファイナンシャルプランナー)

2017年2月16日

「アルバイト時給3,000円」。もし道を歩いていて、このような募集を目にしたなら、誰もが立ち止まってしまうのではないでしょうか。逆に、「ハンバーガーセットメニュー195円」でも同じようなことが起きるかもしれません。しかし、これはごく一般的な金額です。なぜなら日本国内ではなく海外の話だからです。そんな、海外の物価事情をのぞいてみましょう。

日本の半分以下?物価が低い国にはどんな国がある?

先進国に比べ物価が低い国の一つとして、南アフリカを挙げることができます。すべての物価が日本と比べて安いというわけではありませんが、例えばマクドナルドの一般的なハンバーガーのセットメニュー(ハンバーガー+ボテト+ドリンク)だと、約195円*で購入できることになります。日本の同じような内容のセットメニューが500円ほどであることから、半分以下の価格差があるのです。

南アフリカの物価が安い理由は、日本などの先進国と比較すると経済的に未だ成長途中である点を挙げることができます。また、食料自給率が比較的高いこともあり、輸入食品に頼る割合が低いことも物価が低い理由として挙げることができます。

  • * 南アフリカランド=8.5円換算、2017年1月20日時点

オーストラリアでは日本の2倍でラーメンが販売されている?

実はオーストラリアでは、日本と同じ系列店で最低700~800円ほどの価格で食べることができるラーメンが、ほぼ2倍で販売されているのです。一体なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

オーストラリアの場合には人口がそもそも多くないため、人件費が高くなることが一つの理由だと考えられます。つまり、人手が足りないから給料を高めに設定し、それがラーメンの価格にも反映されているわけです。

オーストラリアでは、最低賃金が時給17.70オーストラリアドル(2016年7月以降)であることをご存じでしょうか。仮に1オーストラリアドル=87円(2017年1月20日時点)で計算すると、時給が約1,540円となり、アルバイトでもそれ以上の給料がもらえる状況にあるのです。

こうしてみると、日本円に換算する際の為替にも大きな影響を受けることがわかります。つまり円安になればなるほど、オーストラリアの物価は日本円で換算した場合、上昇するように見えるのです。

また、オーストラリアは欧米やアジアなどの主要な大陸から地理的な距離があるため、輸入製品の輸送コストがかさむことになります。こうした費用がかさめば価格設定はどうしても日本などと比べて高くなりやすい傾向にあります。そのため、物価が高い国の1つとして知られているのです。

世界一物価が高いといわれている国は・・・

それでは、世界一物価が高い国はどこなのでしょうか。世界一物価が高いといわれているのは、スイスです。また、スイスもオーストラリア同様、人件費の高い国です。

例えば、スイスの日本食レストランにおける高校生の夜のアルバイトは時給3,000円だそうです。山国で人口も少ないため、隣国からの輸入に頼っている側面もあるのでしょう。また、人件費だけでなく、肉・魚介類、野菜、果物などの生鮮食品が高いことでも知られています。さすが、ビッグマック指数*1世界一の国といわれている訳であり、ちなみに日本の約2倍もします。

こうした理由から、スイス国境近くに住む人は、フランスやドイツなどの隣国へ買い物をしに行くことが多いようです。なんと、フランス・ドイツではスイスで買い物*2をするよりも3倍近く安く買い物ができてしまいます。

  1. *1 ビッグマック指数とは元はイギリスの経済誌が発表した各国の物価を感覚的に比較するための指標
  2. *2 食品スーパーなどで同じような日常の買い物をした場合

経済状況や為替が物価に影響を与えている

このように、世界中を見渡してみると物価の安い国もあれば高い国もあります。理由はさまざまですが、共通していることは、経済状況や為替が物価に影響を与えている側面があるということです。

仮に円安となれば日本に輸入するモノの値段は上がる可能性があります。こうした状況はその時々によって変わってくることになります。経済がわかればこうした物価の動きもわかるようになります。こうして物価の状況から世界をみてみると、世界を見る目が変わってくるかもしれません。

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