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世界のお金は増え続ける?もう一度学ぼう「通貨とモノの値段」

(執筆者:上村和弘 CFP®(ファイナンシャル・プランナー) by マネーゴーランド)

2016年12月26日

通貨=お金ってそもそも何でしょうか。その本質を知ることから、通貨の物語をご紹介しましょう。

通貨の本質は、物の価値を測るモノサシ

あなた一人しかいない世界では何億円あろうとお金は価値がありません。煮ても焼いてもお金や財宝は食べられません。お金はモノやサービスと交換できるから価値があるというのがその本質。

緩やかなインフレが望まれる理由もお金の本質に関係があります。

物々交換からお金の誕生

大昔、山の人は、獣を狩り、木の実を取って生活していました。そして、海の近くでは魚や貝を採って暮らしていました。その中で、人々は、自分のモノと人が持っているモノを交換することを始めました。いわゆる「物々交換」です。さらに時代が下るとモノ同士を交換するよりも、何かで代替する方が便利だと気付き始めます。

そう、通貨=お金の誕生です。物々交換は腐る・重い・交換相手が見つかり難いという欠点を持ちます。その点、貝や石などのお金は、腐らない・持ち運びしやすいというメリットがありますから、当時の人々にとって、とても便利な発明でした。

通貨の条件

さて、人類史上の中でも有数の発明だった通貨。これを流通させるには、いくつかの条件があります。

1、信用=通貨が効果を発揮するには、何かと交換できるという信用が必要

2、通貨の発行量=多すぎるとインフレに、少なすぎるとデフレに。これは、古代も現代も同じ

3、お金の権威とニセモノ対策=ニセ金作りをモラル・罰則、双方から制限しないとダメ。信用・通貨の発行量という前提が崩れます

現代のお金はバーチャル

現代社会のお金は、数百円~数万円程度のお金を紙幣で支払うことはあっても金額が大きくなると、銀行口座やクレジットカード・電子マネーというバーチャルな世界でやり取りすることがほとんどですよね。そして、お金の量は人口及び経済の伸びと関連しています。

世界人口は、すでに73億人を超えました。国連の調査によると1802年に10億人だった人口は、1987年に50億人を突破。以降も着々と増え続けています。日本の人口は減っても世界的には増えているのです。

お金の本質と人口の増加

さあ、ここが、お金の本質についての考えどころです。これだけ、人口が増えているのに、お金の量が変わらなければどうなるか考えてみましょう。

答えはカンタンですね。一人当たりに行き渡るお金が減ってしまいます。

金銀などのモノをお金にしていると、経済成長すればするだけ、お金を作ることが大変になります。金や銀などのモノを通貨として使う時代が終わったのは、「人口の爆発と経済成長」のせいだったのです。人口・経済成長の増加に合わせて、通貨の発行量をコントロールしないと、インフレ・デフレが生じてしまいます。

緩やかなインフレはお金とモノのバランスを取りやすい

人口が増えて経済成長が続く限り、お金の発行量は増えるということですね。そして、モノの量や価値もお金とバランスを取って増えていく形が最も自然な形。

お金はあらゆるモノと交換でき、ほぼ全てのモノに値段がついているってスゴイことです。お金が溢れても足りなくても経済はダメなわけですから、とても精巧なメカニズムの元に成り立っていると思いませんか?

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