為替のきほん

(2)実は身近な「為替相場」

ここ最近、街中や観光地でよく外国人観光客を見かけることはありませんか?これって実は「為替相場」の動向と密接に関係しているんです。私たちの生活とは決して無縁ではない「為替相場」の影響を解説します。

訪日外国人客数とドル円レートの推移

[グラフ]

出所:訪日外国人客数「日本政府観光局(JNTO)」、レート「日銀時系列データ」

為替の動向と、外国人観光客の増加には、相関関係が…!?

輸入品価格や外国人観光客にみる「為替」

為替相場が動くと、私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか。

毎日の生活の中で為替相場の変動を実感するのは、輸入品の値段が上下するときでしょう。日本はエネルギー資源の9割以上、食料の6割ほどを輸入に頼っているため、為替相場が円安方向に動く(円の価値が下がる=外貨の価値が上がる)と、ガソリン価格や小麦を代表とする食品価格が上昇を始めます。このところ物価が上がっていると感じるのは、消費増税の影響に加え、輸入品の場合には、過去3年の間に1ドル80円から現在の120円まで円安が進んだ影響が大きいでしょう。

また、最近日本を訪れる外国人観光客が増えた、と感じることはないでしょうか。特に中国からの観光客の話題がよくニュースで取り上げられています。中国の一部の人々の生活が豊かになってきていることもありますが、中国元が過去3年で円に対して50%近く高くなった(円安になった)影響も小さくないでしょう。以前に比べ、日本のおみやげも買いやすくなっているわけです。

日本から海外に行くときは…

一方、日本人が海外旅行に出かける場合には、円安はありがたくありません。仮に、あるアメリカのホテルの宿泊料が一泊100ドルとすると、3年前には8,000円で利用できたものが、今は12,000円払わなくてはいけないわけです。同様に、食事代もおみやげ代も円換算すれば、みな以前より割高になってしまいます。

このほかにも、円安が進むと、海外では日本製品を安く購入できるようになります。その結果、販売が好調になって日本からの輸出が増えれば、日本の輸出関連企業の業績が上昇します。業績予想が上方修正されると、その企業の株価の上昇につながります。逆に、輸入関連企業にとっては、円安は仕入価格を押し上げるため、業績の悪化が予想され、株価の下落につながることもあります。

ここまで円安の影響を中心にお話ししてきましたが、円高の場合には、逆の状況になると考えてください。

(2015年5月現在)

筆者:神戸 孝(かんべ たかし)

早稲田大学法学部卒業。三菱銀行、日興證券を経て、99年FPアソシエイツ&コンサルティングを設立。日興證券勤務時代を併せるとFP歴は約25年、資産運用に強いFPの第一人者として評価が高い。日本FP協会理事、金融庁金融経済教育懇談会委員、同金融審議会専門委員などを歴任する。

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