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FPだって昔は浪費家だった。実体験から学んだ貯蓄のコツとは?

執筆者:たつみともこ(ファイナンシャルプランナー)

2017年12月22日

「失敗は成功のもと」ということわざがあるように、人生において失敗から学ぶこともたくさんあります。お金のアドバイザーであるFP(ファイナンシャルプランナー)も、はじめからお金に詳しいのでなく、さまざまな失敗と経験を通して知識を深めていくのです。

特に貯蓄に関しては、FPである私も苦労した一人です。ここでは私が実体験から学んだ貯蓄のコツについて紹介します。

買い物三昧で将来に備えることを知らなかった頃

私は家計簿すらつけたことがなく、買い物三昧だった過去があります。でも「貯蓄はしなくてはいけない」という思いから、給与からの天引きでかろうじて月々数万円の積み立てはしていましたが、すぐに使ってしまうので蓄えはすぐに消えてしまっていました。

また、ボーナスの使い方も無計画でした。欲しいものがあると「自分へのご褒美」という名目で好きなものを好きなだけ購入していたほか、12年間で車を3台も買い替えるという計画性のない生活をしていました。シングル時代だったからこそできたお金の使い方でしたが、それでも「将来への資産形成」という言葉はどこにも見当たらない状態だったといえます。

私の転機は、結婚をしてパートナーとお金をやりくりするようになったときに訪れました。同時にFP資格を取得すると、これからの住まいのこと、子どもの成長とともにお金が必要になっていくこと、年金だけでは不安なことなど、将来への備えが不十分であることに気づき、ある種の怖さを感じたのです。

FPが伝授する貯蓄体質に意識を変えられるポイント

そんな私が将来のために最初にしたことは、ライフプランを立てたことと家計を可視化したことでした。現時点だけを見ていると、どうしてもお金を無計画に使ってしまうので、将来にどれほどお金が必要なのかを見通すことにしたのです。また、無駄な買い物を抑えるためにパートナーにも支出をオープンにしました。

つまり、日々の生活に少しの緊張感を与えて、冷静に買い物できる仕組みを作ったのです。

貯蓄体質へのポイント1.ライフプランを立てる(3大支出のプランを立てる)

もし今、貯蓄体質に変わりたいと考えているのであれば、まず老後までのライフプランを作成してみるといいでしょう。特に家族がいる場合は、3大支出といわれる「住宅」「教育」「老後」の目標額を考えることが大切です。人生をトータルで見ると、いつ、誰が、大きなお金が必要になるのかを見通すことができます。

そして、これらを「どのような方法」で準備するかを検討しましょう。貯蓄を意識するには、方法まで考えるのがポイントです。毎月の貯蓄やボーナスなどで準備する場合は、月々の貯蓄額とボーナスでの貯蓄額を決め、給料やボーナスをもらったら先取りして確実に貯蓄する仕組みを作ることが大切です。また、定期預金や外貨預金など、お金をふやす方法も考えてみるのもいいでしょう。

貯蓄体質へのポイント2.家計を可視化する

次に自分のお金の使い方を把握しましょう。たとえば、コンビニなどでお金を引き出すことが多い人は、こまめに取引履歴を確認したり、クレジットカードの明細をダウンロードできるように設定したりして、毎月の支出を見える化します。

そして支出だけでなく、入ってきたお金にも気を配ることが大切です。入ってきたお金のうち貯蓄にまわすお金には名前をつけて、毎月コツコツと貯めることを心がけます。たとえば「毎月〇万円は旅行や帰省費用のため」「毎月〇万円は次の車を買うための資金」などです。

さらに、ライフイベントでもかなり先の事柄(教育費・老後資金など)は長期で貯蓄するものですが、それらと直近に使うお金を区別して貯蓄してもいいでしょう。いずれにしても、お金に目的を与えることが重要です。

無理はほどほどに!価値のある貯蓄と消費を心がけましょう

人生を楽しく送るためには「価値のあるお金の使い方ができるかどうか」が大切です。我慢ばかり行う貯蓄では、生活に無理を与えて、楽しさをなくしてしまいます。自分の生活に合わせた貯蓄ルールを守りながら、必要なときにはしっかりとお金を使えるようにしていきたいものです。

そのために、今からライフプランを立てて、家計を可視化しましょう。そして「時間を味方につけて」、価値のある貯蓄と消費を心がけましょう。

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