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みんな持ってる電子マネー。枚数や使い方は?

執筆者:三原由紀(ファイナンシャルプランナー)

2017年8月18日

電子マネーといえば、通勤・通学で交通系のICカードを使ったり、普段のお買い物で流通系のポイントカードを使うなど、私たちの周りには色々なタイプの電子マネーが存在し、使える場所も増えています。実際にどれくらい使われているのか、世界と比べてどうなのか、調査データをもとに見ていきましょう。

日本の電子マネーの動向は?

日本銀行の「決済動向(2017年5月)」によると、日本の電子マネー発行枚数は2017年4月末時点で33,927万枚です。日本の人口は1億2,679万人*なので、単純計算で国民一人当たり2.67枚の電子マネーを保有していることになります。

  • *総務省統計局「人口推計(平成29年4月報)」を参照
日本における電子マネーの決済実績と発行枚数
(日本銀行「決済動向(2017年5月)」より抜粋)
[図①]

2014年と2016年の動向を比較すると、決済件数、決済金額、発行枚数ともに大きく増加しているのにもかかわらず、1件あたりの決済金額は伸び悩んでいることが分かります。

すなわち、1人あたりの電子マネー保有数は増えているものの、1件あたりの決済金額は伸びておらず、用途に分けて決済が行われていることがうかがえます。

世界から見た日本の状況は?

日本銀行の「モバイル決済の現状と課題(2017年6月)」によると、電子マネーなどのキャッシュレス決済手段で、日本は電子マネー決済が世界で群を抜いて1位でした。2位のイタリアと比較しても利用額には2倍の差があります。

世界各国の電子マネー利用額<2015年>
(日本銀行決済機構局「モバイル決済の現状と課題」より抜粋)
[図②]
  • 電子マネーとは「繰り返しチャージできる多用途なプリペイドカード」を指す。
    必ずしも非接触ICを利用しているとは限らない(日本のデータは非接触ICタイプ)。

出典:BIS「Statistics on payment, clearing and settlement systems in the CPMI countries -Figures for 2015」

また、電子マネー保有枚数はシンガポールについで世界第2位です。クレジットカード、デビットカード、電子マネーをまとめて決済用カードとして算出された保有枚数でも日本は1人あたり7.7枚保有しており、シンガポールに次いで世界第2位のカード保有国であることも分かりました。

世界各国の種類別カード保有枚数<2015年>
(日本銀行決済機構局「モバイル決済の現状と課題」より抜粋)
[図③]
  • 一枚のカードで複数の機能が利用可能な場合、重複して計上されているほか、
    国・地域によっては入手出来ていない一部カードの計数が欠損している。
  • 2015年計数が存在しない場合、2014年計数を使用。
  • デビットカードには、ディレイドデビットカードを含む。

出典:BIS「Statistics on payment, clearing and settlement systems in the CPMI countries -Figures for 2015」

ただし、クレジットカードやデビットカードの利用額も含む1人あたりのカード決済金額は世界14位になります。さらに、カード決済額の対GDP比率で見ると、トルコ、ロシア、ブラジルなどの決済金額で下位の国よりも下回っています。つまり、カード保有枚数は増えているものの、まだまだ日本は現金主流であることが見て取れます。

世界各国の一人当たりカード決済金額・カード決済額対GDP比率<2015年>
(日本銀行決済機構局「モバイル決済の現状と課題」より抜粋)
[図④]

出典:BIS「Statistics on payment, clearing and settlement systems in the CPMI countries -Figures for 2015」

みんな、どんな使い方をしているの?

総務省の報道資料「電子マネーの利用状況(2014年8月20日)」によると、日本では電子マネーは下記のような使い方がされていると分かりました。

  • 全国的にみて利用回数が最も多かったのは、交通機関での利用
  • 地方別では、関東に次いで近畿の利用率が高い
  • 年代別では、40代が最も高く、30代・50代と続く
  • 関東・近畿は交通機関での利用が多く、関東・近畿以外はスーパーマーケットの利用が多い
  • 年代別で見ると、全年代で、交通機関、次いでスーパーマーケットの利用が多い

移動手段が電車やバスなどの公共交通機関が多い関東や近畿は交通系電子マネー、自動車移動が主流の地方ではスーパーでの買い物の時に電子マネーを使っている状況が分かります。交通系の電子マネーを使えば交通費が少しお得になる、スーパー等では電子マネーを使えばポイントがつき、ポイントが貯まればポイントでの買い物も可能になるなど、利便性とお得感を考えると上記のような結果になるのも理解できます。

ポイントを賢く使って、電子マネーを賢く使おう

電子マネーを活用するには、使える場所とポイントに注目すると良いでしょう。自分の生活圏で利用しやすく、ポイント還元率が高い電子マネーを選ぶことをおすすめします。

もし手元にあるポイントカードの中で、ポイントはたくさん貯まっているものの、なかなか使う場面がないと思うなら、ポイントを電子マネーに振替できないかを確認してもよいかもしれませんね。

実はオトクな使い方も可能な電子マネー。あなたも時間短縮を兼ねて賢く使ってみませんか。

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